デビューEP『エッセンス』のリリースから早2年で、ミレ二アル世代を代表するアーティストとして頭ひとつ抜けた活躍を見せる6人組バンド、サチモス。メンバーはドラムのオーケー、DJのケーシー、ボーカルのヨンス、ベースのスー、ギターのタイキング、キーボードのタイヘイの6人。

茅ヶ崎と横浜がホームタウンである彼らのバンド名は、ジャズミュージシャン、ルイ・アームストロングの愛称サッチモからとったもの。2013年1月にドラムのオーケーとベースのスー、ボーカルのヨンスで結成。その後、ギターのタイキングとDJのケーシーとキーボードのタイヘイが加入して現在の形に。

その後、都内近郊のライブハウスやイベントでの活動を経て、2015年に4月にEP『エッセンス』でスペースシャワーミュージックからデビュー。同年発表したファーストアルバム『ザ・ベイ』で音楽・ファッション業界関係者を中心にぐんぐんと注目を集め、2016年1月に発売された“ステイ・チューン”がホンダ・ヴェゼルのテレビCMに起用されると、バンドの認知が若年層から彼らの親世代まで拡大。それをきっかけに同作がiTunesソングチャートでもじわじわとランクを上げ、音楽番組やテレビへの露出が多いポップアーティストやアイドルグループがランキングのトップを占めるなか、リリースからおよそ一年のときを経て第2位にまで浮上。

それ以降も快進撃は止まらず、今年1月にリリースされたセカンドアルバム『ザ・キッズ』が20万枚に迫るセールスを記録するなど一気に日本の音楽シーンを牽引する存在に。いわゆる地上波の歌番組やバラエティといった類のTVの露出はほぼなく、フジロックを筆頭とした大型フェスやワンマンツアー、アーティストとの対バン、ドライブ・イン・シアターのイベントを開催など、生のオーディエンスにこだわった完全ライブ至上主義で、着実にパフォーマンススキルと実績を蓄積。

そんな己の音楽街道を突き進む彼らが、2017年4月27日に新木場スタジオコーストで開催された「ツアー・ザ・キッズ」ファイナル公演中に、自分たちの新レーベル「F.C.L.S.」を設立することを発表。それに伴い、2017年7月5日には彼らのレーベル名の語源がそのままタイトルになった2Tracks CD『ファースト・チョイス・ラスト・スタンス』をリリースすることが決定。

既にライブでも披露され、人気曲となっているグルービーロックナンバー「ワイパー」と、音楽の力を信じることや周りの人たちを大切に思うボーカル・ヨンスの気持ちを描いたサンセットソング「オーバースタンド」の2曲が収録された同作は、新たなスタートを切るサチモスのジャンルと時代の垣根を越えたスタイルとスタンスが集約された一枚。

また、今回のシングル発売に伴い、14分のショートフィルムを公開。前述のツアーファイナル中に突如現れた謎のアートキッズたちが郊外に繰り出し、何やら怪しい取り引きする姿が収録された同作は、その近未来なビジュアルも話題となった「ステイ・チューン」のMVでもディレクターを務めた若手映像作家・山田健人が制作。最後に謎を残した同作のストーリーの続きを展開するのは私たちリスナー!?　常に新しい挑戦や実験を繰り返し、日本の音楽シーンを賑わす彼らの動向から今後も目が離せない。