死の3週間前、共に旅した男が語る「ダイアナ元妃の素顔」
2017/08/29(火)
> <

1/3

密かに計画されたボスニア・ヘルツェゴビナへの旅

――ダイアナ元妃との出会いとは?
 
ある日ケンジントン宮殿から電話がかかってきたんだ。最初はいたずら電話だと思ったよ!(笑) ダイアナ元妃は'97年の1月にアンゴラの地雷原を訪れていて、さらに地雷についての知識や活動を深めたいと考えていた。当時、世界の80ヵ国に8億の地雷が埋められていて、しかも犠牲者の8割が子供や難民など、戦闘とは無縁の民間人だったのだから。プリンセスが何をしたいのか、会って話が聞きたいと言ったら、驚いたことに宮殿に招待してくれて、すぐにロンドン行きの飛行機に飛び乗ったんだ。
 
公務ではなかったから、表向きには“宮殿でのお茶”という名目で面会の部屋に通された。脚のない(ジェリーは学生の頃、地雷の事故で脚を失っている)アメリカからのカウボーイと何をしてくれるのか、とてもワクワクしたよ。

ダイアナは「あなたの足跡を追っていきます。被害者や家族に会って、どんな小さなことでもいいから、助けになりたいのです。重要なのは私が行くこと。人々が苦しんでいる所へ行き、思いやることだと思うのです」と語っていたよ。
 
そうして僕たちはボスニア・ヘルツェゴビナへの旅を秘かに計画した。ダイアナ元妃はこれはプライベートな旅で、政府や大使館をからめた政治的なものにならないよう強く望んでいた。だから訪問先にも「VIPゲストが来る」としか伝えられなくて「ビアンカ・ジャガー? ヒラリー・クリントン??」ってみんな知りたがったけれど「それより全然いいから、信じて!」としか言えなかった。そして到着するや、プリンセス・オブ・ウェルーズ訪問のニュースは火のように広まったんだ。

Photos: Landmine Survivors Network

  • PROFILE
    ジェリー・ホワイト/1963年ボストン生まれ。大学2年生の夏休み、イスラエルで山歩きをしていて地雷が爆破、右膝から下を失う。「地雷サバイバーネットワーク」を仲間とともに立ち上げ、1997年にノーベル平和賞を共同受賞。オバマ政権下で紛争安定のために尽力し、2015年困難な政策決定をサポートするテクノロジー企業giStratを創設。

  • NEWS!
    ダイアナの指南役となり、現在でも地雷撲滅をはじめさまざまなムーブメントをつくり出すジェリー・ホワイトが9月4日東京で講演を行います。この「Dialogue with Jerry White」にエル・オンライン読者を先着3名ご招待!  詳しくはコチラのサイトより「エル・オンラインを見て」と明記してご応募ください。→http://japan.ashoka.org/
     
    日時:9月4日(月)19:00~21:00
    場所:GRIPS政策研究大学院大学 想海樓ホール
    東京都港区六本木 7-22-1
    料金:一般¥2,000/学生¥1,000

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へ特集一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト