尾崎世界観/「クリープハイプ」ボーカル、ギター、作家
Q. 片想い中に聴いてはいけないラブソングは?
aiko/二時頃
人を好きになるのは簡単だけど、人を好きでいるのは大変だ。
まるで筋トレのようで、恋に落ちる一瞬を合図に、我慢との闘いが始まる。
脂肪の代わりに燃焼するのは気持ちで、なんで報われないんだ、と怒りが沸いてくる。
そんなトレーニングを経て鋼の肉体を手に入れた恋のボディービルダーの曲は、聴いているだけで汗が止まらなくなるからやめてください。
Q. 彼氏(彼女)がいるときに聴いてはいけないラブソングは?
かぐや姫/好きだった人
中学生が煙草に持つそれのように、なんだか失恋が格好良く思えてきて、「そんなに言うなら俺も失恋してみようかな」と思えてくる。
実際に、虚ろな目で海に沈む夕陽をみつめる自分の姿をイメージしてみたりして、「ねぇ、どうしたの?」って聞いてきた彼女に「別に」って答えたりして、「別にって何?」って聞かれてたら意味深なため息を吐いたりして、絶対に喧嘩になるからやめてください。
Q. 彼氏(彼女)と別れた後に聴いてはいけはいラブソングは?
坂本スミ子/夢で逢いましょう
このエンドロール感満載の、いかにも「あー終わったぁ……」っていうメロディ。
その上、「夢で逢いましょう」なんて悲し過ぎる。
「絶対に2度と会わない」、と言うのは優しさで、「夢で逢いましょう」はその真逆。相手が同じ土俵に上がってはくるはない虚しさが漂っていて、辛過ぎるからやめてください。
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尾崎世界観/1984年生まれ、東京都出身。ロックバンド「クリープハイプ」のボーカル、ギター、作家。2012年に『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビューし、その後、日本武道館公演を行なうなどシーンを牽引する存在に。最近は、音楽活動だけでなく、2016年に刊行された初小説『祐介』を始め、作家としても活躍。最新作は、自身の生活を赤裸々につづったエッセイ『苦汁100%』。(共に文藝春秋)http://www.creephyp.com/
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【クリープハイプ2018年全国ホールツアー開催】
単独では3年ぶりとなる全国ホールツアーを、2018年1月より開催することが決定。
http://www.creephyp.com/news/#2883 -
『苦汁100%』(文藝春秋)
2016年に刊行された、売れる日を夢見る若きバンドマンによる大逆走の日々を描いた初小説『祐介』が話題をさらった作家・尾崎世界観による自身の生活を赤裸々につづったエッセイ。2017年5月24日発売。
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163906546