4回転ジャンプを武器に、17歳で世界選手権に初出場
シーズン前にこなした60公演のアイスショーで共演した先輩たちの4回転ジャンプを研究し、本番での4回転ジャンプ成功率が上昇。よりパワーアップした得意のジャンプを武器に、シュートプログラム「悲愴」、フリースケーティング「映画『ロミオ+ジュリエット』より」を引っさげてグランプリファイナル、そして2012年3月にはスケート選手にとって最高峰といわれる世界選手権に初出場を果たし、3位の表彰台に上がった。もっとも技術要素点では1位パトリック・チャン、2位高橋大輔を上回ったことも話題に。また、17歳3カ月でのメダル獲得は日本男子としては史上最年少の記録となった。
世界選手権の総合で銅メダルに輝いた羽生選手はキラキラした笑顔でテレビインタビューに答えた。「被災地のために滑ろうと思っていたのですが、それは違うんだな、と。逆に、僕は、支えられている立場だったんです。応援されている立場。その応援をしっかり受け止めて、演技することが一番の恩返しだと気づいたんです。やっと自分のなかで、震災を乗り越えられたんだという気持ちになりました」。
Photos: Aflo, Getty Images