子役時代をサバイブして大人の女優へ
キルスティン・ダンスト
今年のカンヌ国際映画祭で、審査員を務めた女優のジェシカ・チャステインのコメントが話題を集めた。彼女はコンペティションに集められた多くの映画で描かれた女性像に当惑し、女性よるストーリー・テリングがもっと欲しいと訴えたのだ。自分でこのような発言をし、これまでの枠にはまらない役を選んで、女性の多様性を見せること。それが21世紀における女優の大きな役割になっているのかもしれない。
そのカンヌで女性監督としては史上2人目の監督賞に輝いたソフィア・コッポラの新作『ザ・ビガイルド(原題) 』に出演しているキルスティン・ダンストとエル・ファニングは、ソフィアの秘蔵っ子ともいえるふたりだ。女性監督の作品で育ってきた彼女たちは、新しい女性像を演じることを恐れない。
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『メランコリア』('11)
結婚披露宴でトラブルを起こし、新郎と破局したジャスティン。彼女のうつ状態が落ち着いた頃、地球には奇妙な惑星が接近していた。キルスティンがヒロインを熱演。カンヌ映画祭で女優賞に輝いた。
文・選: 山崎まどか(ライター、コラムニスト)
Photo: AFLO、GETTY IMAGES
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山崎まどか
映画、本、音楽などカルチャー全 般 に 精 通し、“乙 女 カルチャー”における日本の先駆者的存在。著書は『女子映画スタイル ときめきのガールズ・ムーヴィ』『女 子とニューヨーク』など。共著では『90年代アメリカ映画100』や、長谷川町蔵氏との『ハリウッド女子』もある。 -
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