80歳まで働く時代が到来!? 世界的ベストセラー著者が語る未来のライフプラン
2017/05/10(水)
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シングルマザーから再婚。お金で買えない価値を実感

62歳の教授自身、マルチステージの人生を実践中だ。博士課程を終え、20代で就職したのちコンサルティング会社に転職。社内でスピード昇進を果たしたが33歳で退職し、給料が10分の1になるにもかかわらずロンドン・ビジネススクールの教員に就任。今では教職のかたわら立ち上げた組織改革のビジネスも順調で社員は20人を数え、世界中で講演にも引っ張りだこだ。
 
プライベートでは、離婚して息子2人を育てるシングルマザーとして長年過ごしてきたが、最近婚約し、今年6月に再婚する。またこの本を執筆中、医学の専門家に取材するなかで健康の大切さを痛感して一念発起し、ダイエットにも成功したそうだ。「働いていない自分は想像できないから、引退は考えていない」ときっぱり。 「ロンドン・ビジネススクールには定年がないし、自分が社長の企業なら解雇される心配もないわね」と笑う。
 
そしていちばん価値があるのは、お金で買えない「無形財産」だと実感しているそうだ。「友人や子どもが大切なのは、それが、ずばり、幸せのもとだからです。収入や貯蓄は関係ありません」と強調する。「私には中学生の時からの友達もいて、たくさんの共通の思い出があります。このように50年来続く友情というのは、億万長者でも絶対にお金では買えないものです。昨夜は女友達だけでディナーを楽しみました。その一人が、自分でも忘れていた私のファーストキスの話を始めて、盛り上がりました。それから、今友達が何に夢中になっているかを知るのも刺激になります。カナダを自転車で横断している人がいて、私もがんばらなきゃと思いました」
 
いろいろな友達がいれば、新しい発想やアイディアももらえる。友情の持続のために、どんなに忙しくても、2ヵ月に1度は友人と会って話をする機会を設ける努力が必要だという。また、長く働き続けるには、プライベートと仕事のバランスをとることも不可欠だ。「私は最近、フィアンセとアフリカ旅行を楽しんできたところ。2人で胸まで川に浸かって、どきどきしたけれど楽しかったわ」と言いながら、アイフォンの画面で、まるで『インディ・ジョーンズ』の一場面のような婚約者とのツーショットを見せてくれた。

Photo: FREDERIC ARANDA Text: REINA SHIMIZU Illustration: ITSUKI WAKABAYASHI/ HAKONIWA

  • リンダ・グラットン(Lynda Gratton)
    ロンドン・ビジネススクール教授。リバプール大学で心理学の博士号を取得。ブリティッシュ・エアウェイズの専属心理学者、PAコンサルティンググループ部長を経て現職。組織改革のリサーチ・コンサルティングを行うホットスポッツムーヴメント社の創設者。人材論・組織論の世界的権威。新時代の仕事についての新著を執筆中。

  • 『ライフ・シフト100年時代の人生戦略』
    リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著東洋経済新報社刊 ¥1,800
    寿命100歳という時代に、私たちは働き方、生き方をどう変えていくべきか?  遠くない未来のお金や時間の使い方、人間関係までわかりやすく解説。

  • エル・ジャポン6月号
    アレキサンダー ワンとのコラボが実現。付録は、オリジナルデザインのピルケース&ポーチの豪華2点セット! お仕事特集の6月号は未来を変える働き方をテーマに、最先端のIT企業のオフィスから、世界的権威が語る未来のキャリア、すでに始まっている多様な制度など、未来の働き方を徹底予測。クローゼットをポジティブにアップデートさせるべく、エル流のお仕事ファッションもご提案! 5都市発・秋冬コレクションも最前線でお届け。フェスやナイトアウトにおすすめな夏のインパクトメイクも見逃せない!

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