80歳まで働く時代が到来!? 世界的ベストセラー著者が語る未来のライフプラン
2017/05/10(水)
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オックスフォード大学のカール・フレイ教授とマイケル・オズボーン博士によると、この先10~20年ほどでアメリカの仕事の47%がなくなるという。日本では49%という試算も。

AIの実用化によって仕事がなくなる?

さらに無視できないのが、人工知能(AI)やロボットの実用化で、現存の仕事の多くがなくなることだ。「まずは自分の今の仕事についてグーグル検索して、その将来性を認識してください。今後重要性を増すのは、創造性、それにソーシャル面やコラボレーションの技術です」
 
新時代に求められるスキルを身に着けるため「再投資、再創造が必要」とは頭では理解できても、すでに定職がある30~40代以上の世代にとってはタフな挑戦になるだろう。「でも、20歳前後までの学生時代にしか投資をしない従来のやり方では、生産性は落ちる一方」と教授は警告する。「日本では、20代では若すぎるから、50代では齢をとりすぎているからと起業を敬遠する人ばかり。でも、起業に能力は問われても、年齢は関係ありません」
 
日本でも著書が出るたびに大きな注目を集めたびたび来日している教授。「日本は大好きですが」と前置きしつつ、「終業後に会社の人た ちと飲みに行く習慣は大きな問題です」と指摘してくれた。 「子どもと過ごす時間がなくなり、人生の大きな損失です。同僚とカジュアルに話す機会が必要なら、昼間にできるはず。日本の会社の生産性は高くありません」。『ライフ・シフト』の出版記念イベントでは安倍首相夫人が講演を行ったほか、「日本の重要企業2社」のCEOと話す機会もあり、『ライフ・シフト』のビジョンを共有してくれたと実感したそうだ。
 
さらに、日本では30代や40代でもシングルの女性が増えているが、そのの原因は「専業主婦の妻を求める男性たちにある」と断言。 「どうか女性が男性を説得して、仕事も愛もある人生を獲得してください」

【映画が予見するAI後の世界】
SF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』(左)のように自我を確立したAIの反乱がかつての定番だったが、最近は『エクス・マキナ』(中)『her/世界でひとつの彼女』(右)などAIとの共存がリアルな問題として描かれるように。

Photo: FREDERIC ARANDA Text: REINA SHIMIZU Illustration: ITSUKI WAKABAYASHI/ HAKONIWA

  • リンダ・グラットン(Lynda Gratton)
    ロンドン・ビジネススクール教授。リバプール大学で心理学の博士号を取得。ブリティッシュ・エアウェイズの専属心理学者、PAコンサルティンググループ部長を経て現職。組織改革のリサーチ・コンサルティングを行うホットスポッツムーヴメント社の創設者。人材論・組織論の世界的権威。新時代の仕事についての新著を執筆中。

  • 『ライフ・シフト100年時代の人生戦略』
    リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著東洋経済新報社刊 ¥1,800
    寿命100歳という時代に、私たちは働き方、生き方をどう変えていくべきか?  遠くない未来のお金や時間の使い方、人間関係までわかりやすく解説。

  • エル・ジャポン6月号
    アレキサンダー ワンとのコラボが実現。付録は、オリジナルデザインのピルケース&ポーチの豪華2点セット! お仕事特集の6月号は未来を変える働き方をテーマに、最先端のIT企業のオフィスから、世界的権威が語る未来のキャリア、すでに始まっている多様な制度など、未来の働き方を徹底予測。クローゼットをポジティブにアップデートさせるべく、エル流のお仕事ファッションもご提案! 5都市発・秋冬コレクションも最前線でお届け。フェスやナイトアウトにおすすめな夏のインパクトメイクも見逃せない!

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