6.フランス語
元々バイリンガル文化の首都オタワ生まれ。入学した中学校とパブリック・スクールがフランス系だったため、スピーチする場所によって言語を使い分けるほど両言語に堪能。フランス語圏のケベックで英語話者の選挙民が「公的サービスが仏語だけなのは不便」と訴えたとき、「ここ、ケベックだからみんながわかるようにフランス語で答えますね」と“いけず”をしたと叩かれた。でもこれ、圧倒的多数派であることをいいことにケベック州の公用語であるフランス語を学ばない英語話者による訴えがいかに「反カナダ的」であるかをそっと強調するには最適の受け答えだった。というのも父ピエールは仏系と英国系の融和政策を進めた立役者で、カナダの公用語を二か国語にした首相。つまり、「仏語もしゃべれちゃう俺、セクシーでしょ?」的な軽薄アピールかと見せかけて、ふりかざしたのは父の理念だったということ。2世政治家としてかなりの策士!
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