理由4:
女優ガル・ガドットが予想以上にかっこいい!
ワンダーウーマンを演じたガル・ガドットは、1985年イスラエルに生まれた。2004年にミス・イスラエルに選ばれたほどの美貌は、2015年に「世界で最も美しい顔」の第2位に選ばれたことからも裏付けられる。
イスラエルでは18歳以上の未婚の女性に対して兵役があるため、ガル・ガドットはイスラエル国防軍で2年間の兵役を経験している。彼女は「その時の軍隊トレーニングが、ワンダーウーマンを演じる上で役に立った」と述懐している。私生活の彼女は、現在二児の母。ワンダーウーマンに感じる“母性”という要素もまた、実生活が反映されたものであることはとても興味深い。
重要なのは、ガル・ガドットがアメリカ出身の俳優ではないという点。テレビドラマ版でワンダーウーマンを演じたリンダ・カーターがミス・ワールドのアメリカ代表だったことからも判るように、そもそもワンダーウーマンというキャラクターは、アメリカ的な美の象徴でもあったのだ。
それは、コミックス版やリンダの演じたドラマ版で、星条旗の模様を模した衣裳を着ている点からも窺える。“アメリカの美の象徴”を、アメリカ人にとって外国人であるイスラエル人のガル・ガドットが演じていることには、時代の変化を感じさせずにはいられない。
text: Takeo Matsuzaki photo: AFLO, GETTY IMAGES
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『ワンダーウーマン』
女性だけが住むパラダイス島で生まれた“ワンダーウーマン”ことダイアナ(ガル・ガドット)は、アマゾン族のプリンセスとして育てられてきた。ある日、不時着したアメリカ人パイロットのスティーブ(クリス・パイン)を助けたことから、ダイアナは外の世界で大きな戦争が起きていることを知る。彼女は世界を救うためスティーブとともに故郷を後にし、禁断の外界で平和のために戦うのだが……。1941年に漫画のキャラクターとして誕生してから76年。初めての実写映画化となった『ワンダーウーマン』は、全世界で大ヒットを記録。また本作は、DCコミックのヒーローたちが活躍する連作<DCフィルムズ・ユニバース>の第3作としても製作されたという経緯がある。8月25日より、全国公開。 -
松崎健夫(まつざき・たけお)
映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。