いざ、ホルモン値チェック!
そこでハンナは、自身の適性値がすぐに知りたくなり、女性の精神状態や性衝動、筋肉の強度などに重要な働きをするホルモンであるテストステロン値を測る血液検査の後、唾液中コルチゾールを測定するキットを持ち帰った。コルチゾールは肝臓の上に位置する副腎皮質で生成される、ストレスや危険を感じると働くホルモンで、通称ストレスホルモンと呼ばれている。いわゆる、「戦うか逃げるか反応」に関与するホルモンだ。検査キットには唾液を採取する4本の試験管と、詳しい説明書が入っていた。ハンナは試験結果が興味深くもあり、恐ろしくもあった。
なお、ローケッド医師は健康がいかに遺伝子の設計図に影響されているかを明らかにするために遺伝子検査も勧める。
「ほおの裏側を綿棒でこすり取るだけで、自分の体に最適な食生活がわかります。自分の体がどのようにホルモンを代謝するかも知ることもできるので、この情報を利用すればホルモンの生成を促したり操るためにサプリメントをとることも可能。10年後には高額ではなくなり、誰もが受けられるものになっているでしょう。パーソナライズされたヘルスケアは今後前進するはずですよ」
translation : Naoko Ogata、text : Nathalie Lima Konishi、photo : Getty Images