世界の街から届いた、フェスティブシーズンのご当地スイーツ
2015/12/19(土)
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from London/五月ギャンブル

これをなくしてイギリスのクリスマスは語れない! 国民的ホリデーシーズンおやつ=「ミンス・パイ」。

10月のハロウィーン、11月のサンクスギビングという2大イベントが終わってからやっとクリスマスがやって来るアメリカに対して、夏が終わると勇み足でクリスマスに猛突進していく感のある、ここイギリス。10月頃には既にクリスマスに欠かせないお菓子である、「ミンス・パイ」がスーパーマーケットに並び始め、クリスマスシーズンの到来を告げる。このミンス・パイは、日本のお正月のお餅のように、年末年始だけに食べられる期間限定のイギリスの伝統的なお菓子だ。直径5cm弱のミニタルトの中に、たっぷりのブランデーで漬け込まれたドライフルーツと、シナモンやクローブなどのスパイスで味付けされたフィリングが入っている。この季節にイギリス人の家に行くと必ずお茶菓子としてサーブされ、会社にも必ず誰かしらが持参してきてお皿に盛りつけてあったりするので、もはやミンス・パイを避けて12月を過ごすことは不可能と言った方が正しい。義祖母が言うには「昔は、9月になると各家庭に伝わるレシピのフィリングを作って、3ヶ月寝かせてから12月にミンス・パイを作ったのよ」とのこと。
10個入りの1箱で3.4ポンドで購入できる最近は、わざわざ自分で作ったりする人は少ないのだが、瓶入りのミンス・ミートと冷凍のパイシートを使って手作りしてみるのもまた一興。ちなみにミンス・パイはサンタクロースの大好物でもあるので、子供たちはクリスマスイブの夜、寝る前にミンス・パイを乗せた皿ととなかいが食べるにんじんを暖炉の下に置いてベッドに入り、翌日空になった皿とプレゼントを見つけるというわけ。温めたミンス・パイと温かいモルド・ワインと一緒に味わうのが、イギリス流のおいしい食べ方なのだそう。これで、クリスマス気分がピークに達すること間違いなし!

  • 五月ギャンブル●Satski Gamble。ニューヨークのマグノリア・ベーカリーでケーキ・デコレーターとして修業する傍ら、ロック・バンドのメンバーとしても活動。ロンドンのレ コード会社と契約後、渡英。著書に『ニューヨーク仕込みのカップケーキとデコレーション』。
    http://satskigamble.com/

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