世界の街から届いた、フェスティブシーズンのご当地スイーツ
2015/12/19(土)
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世界のおやつ from Paris/おおみやかな

クリスマスボールのような形でフランス人から愛される「テット ド ショコラ」

11月半ばの事件も記憶に新しいパリ。そんななかでも12月を迎えたパリの住人たちはノエルに向かって静かに、そしてあたたかく動き出している。マルシェ ド ノエル(クリスマス市)では店の数は例年よりも少なめながら、今までと同じように訪れる人々を楽しい気分にさせてくれる。今回はこの季節限定の、それもマルシェ ド ノエルでしかほとんど見かけないお菓子、「Têtes de chocolat(テット ド ショコラ)」をご紹介。
このテット ド ショコラは、フランス東部のストラスブルグ発祥のメレンゲ菓子。1個1.5ユーロという手頃なお値段とクリスマスベルやクリスマスボールのようなかわいらしい外見から、マルシェ ド ノエルでは定番のお菓子だ。レシピは店によって多少違っても、基本は同じ。チョコレートのなかには、熱いシロップで泡立てたメレンゲにアガアガ(寒天)を加えてふんわりとさせたメレンゲクリーム、その下にはウエハース生地のようなガレットというのが定番スタイル。マシュマロのような食感ではなく、思わずクリーム? と感じてしまうくらいなめらかで軽いメレンゲに仕上がっている。しっかりとした甘さはあっても、しつこさを感じないのでパクリパクリとあっという間に完食してしまう罪なスイーツ。このメレンゲにはキャラメルやモカ、いちご、フランボワーズ……など、たくさんのフレーバーがあるので、選ぶ楽しさも大!
ちなみに、テット ド ショコラは、ほかにブール ムース、ブール オ ショコラなど、たくさんの呼び名があるが、昔は「Têtes de Nègre(テットドネーグル)」と呼ばれていたそう。Nègre=黒人という意味から、色々な配慮を経て、最近ではテット ド ショコラになったそう。こんな期間限定の小さなお菓子にも、色々なストーリーがあるのが興味深い! 
この写真を撮っている最中も、素敵なフランス人マダムがささっとひとつ買ったかと思うと、颯爽と歩きながら紙に包まれたテット ド ショコラをパクリ。マルシェ ド ノエルを楽しみながら頬張るテット ド ショコラが、この時期のフランスならではの粋な食べ方なのかも。フランス人にとって無くてはならない、ノエルの味だ。パリは灰色の空が広がる毎日でも、街にはノエルの香りが日に日にふわりと漂ってくる。大切な方と心温かなノエルを願って……、Joyeuse fête de Noël!

  • おおみやかな●日本・フランス国内のレストランにて仏料理と菓子を学ぶ。パリ在住日本人と結婚後、自宅での料理教室活動を開始し日本でも簡単に再現できる仏家庭料理レシピを紹介。育休中にトータルフードコーディネーター資格取得。ヴァンブの蚤の市がパワースポット。

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