世界の街から届いた、フェスティブシーズンのご当地スイーツ
2015/12/19(土)
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from Bologna / Mari

イタリア・カラブリアのクリスマス菓子「Pitta della Madonna」

ボローニャ市民がこよなく愛するサント・ステファノ広場から目と鼻の先にあるバール兼パスティッチェリア「Pasticceria S. Stefano(パスティッチェリア・サント・ステファノ)」。カラブリア出身の家族が経営するこのバールでは、彼らの郷土で昔から食べられているクリスマス菓子が味わえる。カラブリアの限定された地域でクリスマスシーズンに食べられるこの菓子は、カラブリア内でも場所によって呼び方が異なり、Cozenza(コゼンツァ)では「Pitta‘mpigliata(ピッタ・ンピリアータ)」、Catanzaro(カタンザーロ)では「Pitta‘nchiusa(ピッタ・ンキューザ)」というようにイタリア語らしからぬ発音の名前で呼ばれている。オーナー家族の出身地であるCrotone(クロトーネ)では、そのバラの花が咲いたような美しい見た目から「Pitta della Madonna(ピッタ・デッラ・マドンナ)」と呼ばれているのだそう!
オーナーGiuseppe Romano(ジュゼッペ・ロマーノ)さんの息子で、現在経営を任されているAdolfo(アドルフォ)さん(写真右上)が説明してくれた「ピッタ・デッラ・マドンナ」は、材料も作り方もいたってシンプル。デュラム小麦粉、マルサラ酒、シナモンで作られる生地を薄くのばし、アーモンドやクルミを砕いたものと干しブドウを生地の上に広げて2つ折りに。そして、端から生地をくるくると丸めて輪切りにし、型にバラの花のように並べていく。オーブンに入れる前のひと手間として、オリーブオイルを花びらに回しいれることで中までおいしく火が通るのだとか。この状態で完成の場合もあるが、アドルフォさんの店では仕上げのもうひと手間として熱したはちみつを表面にプラス。熱いはちみつを塗った表面は乾燥して艶やかな仕上がりに。見た目にも美しいドルチェだ。
店のショーウィンドウを覗いていたカラブリア出身のシニョーラ(ご婦人)も、「ここのピッタは少し甘めだけれど、本場で食べるのと同じくらいおいしいわよ!」とお墨付き。サクサクとした素朴な生地に、ふんだんにあしらわれたナッツやドライフルーツ、そして、仕上げのハチミツの甘さがクリスマス気分を一気に盛り上げてくれる。ボローニャでこのカラブリアのクリスマスドルチェを味わえるのはこの店だけ。小さいサイズ(2.5ユーロ)もあり、バールの奥にはゆったりとしたサロンスペースもあるので、定番のクリスマス菓子に飽きたらこの店で「ピッタ・デッラ・マドンナ」を頬張ってみて!
 
 
「ピッタ・デッラ・マドンナ」 1kg 30ユーロ(カップ入りバージョンは1つ2.5ユーロ)
※ピッタ・デッラ・マドンナは通年あります。

  • Pasticceria S. Stefano di Romano e Figli(パスティッチェリア・サント・ステファノ・ディ・ロマーノ・エ・フィッリ)
    Via Santo Stefano, 3, 40125, Bologna (BO), Italia
    tel. +39-051-224160
    営業時間/7:30~22:00
    定休日/月曜

  • Mari●大手経営コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして勤務後、2006年に渡伊。2人の男の子のマンマをしながら「フェリチターリア」の通訳者・翻訳者・個人旅行同行アシスタントとして、「食の都」ボローニャを中心にイタリアの魅力を発信中。
    http://www.felicitalia.net/

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