特集 2013/8/5(月)
話題作『大統領の料理人』のモデルになった女性料理家

食通たちを魅了するダニエル・デルプシュにインタビュー!

1988年、女性として、初めてフランス大統領の専属料理人に指名されたダニエル・デルプシュ。彼女の人生を大きく変えた運命のときから25年。その半生を描いた映画『大統領の料理人』が公開される。来日したダニエルに、映画の裏側、そして自身の料理人人生について聞いた。

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Les Saveurs du Palais © 2012 –Armoda Films- Vendome Production – Wild Bunch – France 2 Cinema

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「女性料理人とは」 フランス料理界の巨匠も女性から料理を学んだ

―フランスには優秀な女性料理人もいますね。
 
「リヨンにメール・ブラジェという女性がいたんですが、彼女は1930年代に世界で初めて2度も三ツ星を獲得した女性料理人です。彼女こそ、ポール・ボキューズの師。ポールは20歳のとき、急な坂道の上にある彼女のレストランに自転車でやって来て修業したいと言ったそうです。そこで、急な坂を自転車で登ってくるだけのやる気があるならばと受け入れられたそうです。その後、ポールはフランス料理を変えました。でも、人々は彼の話はしても、彼に料理を教えたブラジエのことは話題にしませんよね」
 
―なぜ男性ばかりが注目されるのでしょう。
 
「フランスにはなぜ女性の三ツ星シェフが少ないのかと訊ねられることがありますが、頭にきてしまいます。フランスには優れた女性料理人がいないような言い方ですから(笑)。ただ、数が少ない理由はあります。若い女性の場合、出産・子育ての時期と修業時代が重なるのです。コンクールで力を試す時期に、その準備をする時間も体力もないのが現実です」
 
―それが女性の三ツ星シェフが存在しにくい理由なんですね。
 
「エレーヌ・ダローズという有名な女性シェフがいますが、彼女は未婚で養子を二人迎えました。母としては生きたい、でも妻として生きる時間はないということです。それが彼女の選択です。有名な三ツ星の女性シェフ、アンヌ・ソフィー・ピックは、ソムリエの伴侶との間に子供は作らないことに決めたそうです。この状況を理解すれば、女性の三ツ星シェフが少ないなどとは思いませんよね」

  • 『大統領の料理人』
     
    <STORY>
    取材のため、南極基地を訪れたオーストラリアのTVクルーは、現地で一人のフランス女性に遭遇する。彼女の名はオルタンス。男所帯の観測基地で、隊員たちのために料理を作る女性料理人だった。彼女は何者で、いったいなぜここにいるのか。隊員たちに慕われるオルタンスに興味を抱いたクルーが彼女の素顔に迫っていくと、やがてその驚くべき過去が明らかになっていく。実は彼女はミッテラン大統領の元専属料理人としてエリゼ宮で働いたという異色の経歴の持ち主だったのだ。オルタンスが覗いた大統領の素顔とは。そしてエリゼ宮の裏側とは。
     

    監督/リクリスチャン・ヴァンサン
    出演/カトリーヌ・フロ、ジャン・ドルメッソン、イポリット・ジラルド
    配給/ギャガ
    公式サイト/http://www.daitouryo-chef.gaga.ne.jp
    2013年9月7日(土)シネスイッチ銀座、Bunkamuraル・シネマほかにて全国順次公開
    Les Saveurs du Palais © 2012 –Armoda Films- Vendome Production – Wild Bunch – France 2 Cinema

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Text JUNE MAKIGUCHI

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