いく子先生がぬきうち検査! ファッショニスタのお買いもの収支
新生活の始まる春こそ、お財布の中身を見直す時期。洋服好きな働く女性は、月にどれくらいファッションにお金をかけている? 果たしてその使い方は正しいの? 正解ってあるの!? ファッションに費やした時間も費用も桁外れ!なスタイリストの地曳いく子さんが、ファッションとお金の正直な付き合い方を解き明かす。
30代/ファッション&トレンド命! 狙った獲物は逃さないファッションハンター
PROFILE
職業/ファッションブランドのプレス。
ファッション業界歴は約15年、プレス歴は7年。
毎月のお給料の使い道/
服飾費40%
家賃や飲食費25%
交際費20%
貯金15%
ファッション業界歴が長いせいか、もはや一般的な金銭感覚ではないことは承知のうえ。服飾費が40%で、意外と使ってないな~なんて思っていたり……。我が家のお財布の紐は、キチンとしている旦那さんが握っている、という安心感ゆえ!?
<お悩み>
念願だったファッションの仕事に就いた20代。コーディネートがイマイチだと着替えに帰ってしまう日もあったりと、当時からファッションアディクト道一直線。
30代半ばの今も未だ熱は冷めず、多少無理をしても、ビビッと来たものは即買い。「この買い物は趣味であり、仕事でもある」と言い訳つきポジティブ思考で、自分の気分・感性に合うものは絶対にゲット。しかし、よく考えないで買い物しているせいなのか、結果的に長いスパンで着られるものがクローゼットには無い! もういい加減大人として、きちんと取捨選択して、大人なお買い物計画が立てられるようになりたい~。
<いく子's ANSWER>
旦那さんがしっかりしているならいいじゃない! そのうち買いたい服、似合う服が無くなって
くるから、ビビッとくるアイテムがあるうちに思う存分楽しんだほうがいいわよ。私も40代のとき、パタッと似合う服が無くなって、愕然としたの。40代でつまずき始めて、50代になったら、買いたくても(似合わなくて)買えないっていう状況が待ってるんだから。あと20年ぐらい突っ走れ!
きっと20年後に私の言葉を思い出して感謝してくれるんじゃないかしら(笑)。
あとね、これは断言できます。長いスパンで着られる服、いわゆる“一生モノ”なんてのは滅多にありません
。私がこの方と同じくらいの年代のとき、どれだけ服に投資したと思う!? 当時約30万円で買ったカシミアのロングコートも、今ではお葬式で着るくらい。時計だって色々買ったけれど、結局アップルウォッチに落ち着いちゃった。そんなものなのよ!
あとね、長く着たアイテムっていうのは、後から分かる
んだよね。そういうものを狙って買うなんて、本当に奇跡
に近いんじゃない? まあとりあえず、待ってれば嫌でも大人になるから、今はまだまだ30代のファッションを楽しんでください! ウン千万円をファッションに注ぎ込んだ私が言うんだから、間違いないわよ。
長いスパンは、考えても3年まで。その中に15年も着られるアイテムがあったら、御の字
だよね。一生なんて思うと、難しく考えすぎちゃうの。「栄華を極めたソロモンでさえ~」じゃないけど、先のことを思い悩んでもしょうがないわよ。そんな暇があれば今の心配をすべし。でね、ファッション業界は竜宮城だから、金銭感覚がおかしくなって当たり前
。おかしくないとやっていけませ~ん! いい旦那さんと結婚できて良かったわね。
Photo : AFLO
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地曳(旧姓:渡辺)いく子/IKUKO WATANABE JIBIKI
ファッション誌で30年超のキャリアを誇るスタイリスト。ファッション誌だけでなく数多くの女優のスタイリングも手がける。女性を美しく見せる高い感度はもちろん、的確な理論に基づいたスタイリング術に定評あり。また、その独特の語り口も魅力で、ファッション指南本『服を買うなら、捨てなさい』(宝島社)など著書多数。