“ファッション査定”を習慣づけて、本当にいい買い物を重ねて
値段が安い物であれば、お得な買い物をしたことになる? 答えはもちろんNO。そのアイテムが本当の意味でコストパフォーマンスの高いものであるかどうかは、<価格÷利用回数>の法則で計算してみれば一発でわかる、とスタイリスト渡辺いく子さんは話す。
「20万円のブランドバッグは一見思い切った買い物ですが、週に5回、5カ月持つとすると100回利用することになり、つまり1回持つのに2,000円かかる計算になります。逆に、値段に飛びついて4,800円するクラッチを買って、2回しか持たなかったら? ブランドバッグのほうがコスパ的に勝ることになりますよね。このファッション査定を習慣づければ、買い物がどんどん上手になっていきますよ」(渡辺さん)
ストッキングもいい例。「安いストッキングは寿命が短いですが、質のいい『ピエールマントゥー』や『ウォルフォード』のものは5年は履けます。たびたび1,000円程度を払うよりも、5,000円するものを買って大事に使うほうが得だし、脚だって喜びます。いいものをひとつでもワードローブに忍び込ませると、結局そればかり履くようになるから、すぐにモトが取れるんです」(渡辺さん)
人気ショップ「シンゾーン」のディレクター、染谷真太郎さんも同様の考え。「同じセーターでも、ワンランク上の素材を選ぶことで着る度の満足感が違います。その3分の1の値段のものは、ワンシーズンでダメになるかもしれませんが、メゾンブランドのベーシックな1枚なら5年は着られる。デザインも秀逸でクオリティも良いのでおすすめです」。
その時は一瞬「高いな」と二の足を踏む物ほど、費用対効果が大きかったように感じるはず、と染谷さん。じっくり時間をかけていい買い物を重ねていくことが、センスアップにもつながる。まずは1足、上質なストッキングを買ってみることから始めてみては?
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<革命TIPS アドバイザーはこの方々!> (※順不同)
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渡辺いく子(Ikuko Watanabe) /
ファッション誌で30年以上のキャリアを誇るスタイリスト。“大人の女性”の服選びの第一人者として、数多くの女優のスタイリングも手がける。美しいビジュアル感覚はもちろん、的確な理論に基づいた着やせテクニックなど、実用性の高いスタイリング術に定評がある。最近『50歳ファッション黄金セオリー ~さようなら、おしゃれメランコリー~』(WAVE出版)を上梓し、好評発売中。 -
岡本敬子(Keiko Okamoto) /
アタッシェ・ド・プレス。文化服装学院スタイリスト科卒業後、スタイリストオフィスに入社。その後、大手アパレル会社のPR部門にて国内外のブランドのPRを行う。現在独立してアタッシュ・ド・プレスとして活動中。2010年に自身のブランド「KO」を立ち上げる。
http://blogs.elle.co.jp/okamoto/ -
染谷真太郎(Shintaro Someya) /
「シンゾーン」ディレクター。1980年生まれ。ロンドン留学帰国後、2001年20歳の時に表参道に「シンゾーン」をオープン、全て独学でセレクトショップを運営する。「デニムに合う上品なカジュアル」をコンセプトとした、男性ならではのセレクトが女性の間で大人気。
http://blogs.elle.co.jp/shinzone/ -
蓮村 誠(Makoto Hasumura) /
マハリシ南青山プライムクリニック院長。東京慈恵会医科大学卒業、医学博士。オランダマハリシ・ヴェーダ大学、マハリシ・アーユルヴェーダ認定医。特定非営利活動法人ヴェーダ平和協会理事長。現在、診療に当たる傍ら全国各地での講演活動、 書籍執筆、テレビ出演、雑誌の連載などで活躍中。エル・オンラインでの連載「蓮村誠のFind Yourself 人生を楽しむヒント」も定番人気。2014年2月に新著『失うことは恐くない アーユルヴェーダで不安と悲しみを手放す』(春秋社刊)を上梓。
http://www.hoyurishikai.com/index.html