“醜いアヒルの子”だった現代のスーパーモデル、カーリー・クロスの出世術
「ロレアル」のアンバサダーに任命されるなど、人気といい、実力といい現在トップ中のトップといってもいいスーパーモデル、カーリー・クロス。“ヴロガー”として始動し、事業もスタートするなど、彼女が牽引する“新しいモデル像”のトレンドと、若い女性のロールモデルとして活躍中の22歳の素顔にクローズアップ! でも、実はモデルとしてはマイナスだらけだった彼女が今の立場になる背景に、1に努力、2に努力、3,4がなくて5に人柄、というくらいの徹底した真面目さとプロフェッショナルな姿勢があった……。
スーパーモデル2.0がトレンド~これまでのモデル業のあり方を変える
これまでの女性モデルのキャリアの落としどころと言えば、デザイナーやフォトグラファー、テレビのホストなど他の職業に転身しない限り、有名人や富豪との結婚などで引退し男性に頼る方向になることが多かった。彼女が今挑戦しているのは「見た目だけで頭カラッポ」みたいなステレオタイプなモデル像を変えること。「この業界の手のひら返しっていったら本当にショッキングなものよ。たった1ヶ月'it'ガールだなんてもてはやされて、さよならなんて当たり前だもの。私が燃え尽きないでいられる理由は、他の事で自分を満たし続けているからだと思う。エンターテインメント業界におけるステレオタイプの在り方、モデルだけじゃなくて、女優やアスリートでさえ直面するそれにはイライラさせられるわ。皆見た目だけにフォーカスして、皆が持ってる技術やそのスポーツに精通するためにどれだけ知的レベルが必要かなんて誰も見てくれないの。私が沢山本を読んでいたり、自分の意見をもっていることなんて、皆は期待してない。だから私は皆をびっくりさせることができるのが好きなのよ。」とCBSアンカーに語ったカーリー。
現在はプログラムのコーディングの勉強、そして今秋からニューヨーク大学にフルタイムで通学しながらハーバード・ビジネススクールの各講座も受講し、そのうえモデル業もこなす予定。コーディング? しかもモデルの女性が? という問いには「コーディングはとても魅力的! だって私達が今住んでいる世界、そしてそれを取り巻くものは全てコーディングでできているでしょう。そして未来もコードで書かれていくのよ。」というデジタルネイティブらしい答えを返している。
確かに、小学校教育からコーディングを取りいれようとする試みが、世界各地でトレンドになりつつある。勉強は「教科書はスタジオにも持っていくし、飛行機の中でも勉強するつもり」とのこと。現在はイヴァンカ・トランプの夫の弟であるジョシュア・クシュナーがボーイフレンドだけれど、恋愛で頭がいっぱいの女性より、たくさんやることがあって、どんな仕事でもおろそかにしない確固たるキャリアを持ったプロフェッショナルで、それにひたむきに情熱を傾けている姿こそが異性にとっても同性にとっても魅力的でインスパイアされることはカーリーが実証済み。
text : Ryoko Tsukada