“醜いアヒルの子”だった現代のスーパーモデル、カーリー・クロスの出世術
「ロレアル」のアンバサダーに任命されるなど、人気といい、実力といい現在トップ中のトップといってもいいスーパーモデル、カーリー・クロス。“ヴロガー”として始動し、事業もスタートするなど、彼女が牽引する“新しいモデル像”のトレンドと、若い女性のロールモデルとして活躍中の22歳の素顔にクローズアップ! でも、実はモデルとしてはマイナスだらけだった彼女が今の立場になる背景に、1に努力、2に努力、3,4がなくて5に人柄、というくらいの徹底した真面目さとプロフェッショナルな姿勢があった……。
デメリットだらけの体型をカバーする、スウィートなキャラクター
「オスカー・デ・ラ・レンタ」、「ヴェルサーチ」、「ダナ・キャラン」、「キャロライナ・ヘレラ」、そして「ジェイソン・ウー」など人気ブランドのお気に入りに成長したカーリー。でも、実はモデルとしてはマイナスな部分ばかり。背が高く頭が小さすぎるため、他のモデルと頭身があまりにずれてしまうことで並べづらく敬遠する人も多数。しかも、バレエで鍛えられた筋肉は細く筋張っているため、「痩せすぎ」と非難の対象になり、下手をすれば業界から干されかねない事態に陥ったのは有名な話。
それでも、彼女がトップに君臨できたのは、それを補ってあまりある努力と、誰にでも丁寧に接するスウィートなキャラクターのおかげ。6年間ずっとカーリーを起用し続けているデザイナー、ジェイソン・ウーは「当たり前だけど、業界が毎日スーパーモデルを出し続けることなんてできない。カーリーはその中でも特別で、とってもレアなケースのひとりなんだ。バランスが取れていて落ち着いていて、エレガント。それでありながらどこまでアメリカンなところが彼女の魅力なんだ」と語っている。
オスカー・デ・ラ・レンタの寵愛ぶりも話題で、彼の生前最後のショーになった2014年のニューヨークコレクションでそのランウェイを歩くと、当日夕方ロスへ飛び別のイベントに登場。翌朝にはニューヨークに戻り、朝一番からランウェイを歩いていたため、冗談で「カーリーは人間じゃない説」が飛び出たくらい。「ナイキ」のウィメンズ・キャンペーンにもフィットネス・アイコンとして登場しているけれど、今年2度目の登場となったカンヌ映画祭でも、毎朝誰よりも早く起きて誰よりも早くヘアメイクを終えている(しかもおそらくトレーニングさえ終えている!)姿が目撃されているほどストイック。インスタグラムを見てもその多忙さと生真面目さにびっくりするほど。
text : Ryoko Tsukada