その1
ダイアナ・ヴリーランドに言われて、靴作りを始めた
エレガントなルックスで、世界中のファッショニスタを魅了するシューズブランド「マノロ ブラニク」。今やモードなシューズブランドの代名詞として掲げられる同ブランドだが、デザイナーのマノロ・ブラニクいわく、最初は靴を制作するつもりは全くなかったという。当時、国連で仕事をしていたマノロ・ブラニクに声をかけたのは、元雑誌編集者のダイアナ・ヴリーランドだった。「あなたは何か製作しなさい。アクセサリーや靴を作るのよ」。
デビュー前の心境も捉えたドキュメンタリー映画では、子どものときにキャドバリーの包装を使ってトカゲに靴を作ったというエピソードをもつ、74才のスペイン人デザイナー、マノロ・ブラニクの人生を垣間みることができる。劇中には、パロマ・ピカソ、リアーナ、ナオミ・キャンベル、カーリー・クロスなどの著名人たちのインタビューをはじめ、仕事に没頭するマノロ・ブラニクの姿も映しだされる。「私の人生の喜びは、工場で時間を過ごすことなんだ。とても悲しいが、それが唯一愛することなんだよ」。
text : SUMMER LIN translation: HARUKA SAITO