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(c)1966角川映画

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『赤い天使』

若尾文子ファンだったので増村保造監督だし間違いないと思い、十数年前観に行きましたが、一緒に行った男性から上映後、涙目で睨まれ、観たことを後悔したいわくつきの作品です。

戦地の陸軍病院で働くことになった若尾文子演じる従軍看護婦さくら。負傷兵に犯されたり、運び込まれる兵士の銃弾を摘出する手伝いや、手足を切断する介助など、キツいシーンの連発。さくらが思いを寄せる岡部医師はインポテンツ、という四面楚歌の状況です。

そんな中、両腕を失った兵士に性欲処理を頼まれ……と、想像を超える展開が続きますが、すべてに献身的に応えるさくらの姿勢に感動。血みどろ映画でしたがカラーじゃなくてモノクロなのが救いです。

  • 『赤い天使』
    ¥2,800+税
    発売・販売 KADOKAWA

    〈作品紹介〉
    『赤い天使』
     
    日中戦争のさなか、従軍看護婦として天津の陸軍病院に赴いた西さくらを待っていたのは、負傷兵から切り取られた手足と、モルヒネ中毒になっていた医師、岡部だった。地獄絵図のような世界で岡部に恋する西だったが戦局はますます悪化してゆき……。増村保造×若尾文子のコンビが、大胆な性描写に挑んだ作品。
     
    出演/若尾文子、芦田伸介、川津祐介
    監督/増村保造『この子の七つのお祝いに』『青空娘』  

    製作年:1966年/製作国:日本/製作:大映
    原作:有馬 頼義/配給:大映/:(C) 1966角川映画
    モノクロ/1時間35分/9巻/2599m/スコープサイズ/モノラル

  • 辛酸なめ子/東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。漫画家、コラムニストとして活動。近著に『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『次元上昇日記』(幻冬舎plus)など。

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text : Nameko Shinsan

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