『昼顔』
カトリーヌ・ドヌーヴ主演、ルイス・ブニュエル監督なのでおしゃれな映画だと思って観にいったら、かなり後味が悪かったです。
セヴリーヌは医者の夫ピエールとパリで裕福な暮らしを送っていますが、内心M女願望があり、自主的に売春宿で働きはじめます。
夫とはセックスレスなのに、どこの馬の骨とも知れない男たちとセックス。公爵の屋敷で葬式プレイに及んだり、危険な方向へ……。そこでストーカー気質の危険なチンピラと関係を持ち、家にまで押し掛けられ、何も知らない夫がチンピラに酷い目に遭わされる羽目に。なんとか命は助かりましたが、その後の気まずすぎる夫婦関係はどうなるのかと戦慄しました。
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〈作品紹介〉
『昼顔』
何不自由なく暮らす、ブルジョワの主婦(カトリーヌ・ドヌーヴ)。でも、彼女には嗜虐願望があり、ひょんなことから高級娼館で働き始める……。カトリーヌ・ドヌーヴがこれでもかと汚されていく映像とともに、性と志向性に関して深く考えさせるセンセーショナルな作品。当時たった24歳にして未婚出産、実の姉の事故死と苦境を乗り越えたドヌーヴの渾身の演技が光る、ヴェネツィア映画祭金獅子賞受賞作品。
出演/カトリーヌ・ドヌーヴ、ジャン・ソレルほか
監督/ルイス・ブニュエル『アンダルシアの犬』『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』
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辛酸なめ子/東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。漫画家、コラムニストとして活動。近著に『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『次元上昇日記』(幻冬舎plus)など。
text : Nameko Shinsan