インタビュー 2015/7/28(火)
本誌インタビューの裏話

黒柳徹子さんからもらった「心に響く言葉」

『エル・ジャポン』9月号の「教えて先輩! リアル人生相談室」特集にスペシャルゲストとしてご登場いただいた黒柳徹子さん。こちらでは、本誌インタビューでとりわけ印象的だった“徹子さんの金言”、舞台裏のお話をちょっぴりご紹介! 徹子さんの類い稀なる感性、ぶ厚い人生経験のフィルターを通した言葉や生き方から、きっと勇気がもらえるはず。

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人と自分を比べても意味がない

美醜の物差しが幅をきかせるテレビ業界で、「才能も個性も美しさも、しゅっちょう人と比べられる仕事をしてきた」という徹子さん。
 
「人と自分を比べても意味がない」
 
テレビで活躍するようになってから、こう考えることがとても大切だと思うようになったのだとか。
 
インタビュアーのジェーン・スーさんが、「コンプレックスはあったのですか?」と聞いたところ、こんなエピソードを披露してくれた。
 
「コンプレックスだらけ(笑)。『トットの欠落帖』という本が一冊書けるくらい、日記に書いていなくてもちょっと思い出す失敗談がたくさんあります。常識的なこともよく知りませんでしたし、富士山を見て『あのキレイな山はなんていう山ですか?』と聞いて、宿屋のお姉さんに『富士山です!』とムッとされたりもしましたしね。でも、こんなに失敗ばかりしていてもね、この30年ほど舞台では一度も間違えたことがないんです。舞台ではとかく出とちりしたり、何かを忘れたりすることがあるのですが、自分でも感心するくらい集中しているんでしょうね」
 
NHKを受験した際、試験問題にまったく答えられなかった。そのかわりに、自分の長所と短所を書く欄を、思いつくかぎりの長所で埋め尽くしたというエピソードと重なる。
 
完璧ではないからこその人間味。長所を伸ばせばいいじゃない、という信念が、徹子さんの唯一無二の存在感を裏付ける。
 
「若いときは、どうしてあの人はあんなにキレイなんだろう? どうしてこんなにスタイルがいいんだろう? なんて思いがちですよね。でも、人と自分を比べても意味がないと気付いたんです。自分は自分でやっていくしかない。人を羨むこともなく、人と自分を比べることもなく、自分は自分。人を見ていても仕方ないんです」
 
テレビ草創期、まだまだ男社会の時代に最年少で紅白歌合戦の司会を務め、日本が誇る俳優陣と数々の名作を作りあげてきた黒柳徹子さん。『ザ・ベストテン』や『日立 世界・ふしぎ発見』のような国民的人気番組を支え、『徹子の部屋』は90歳を迎える50周年までやりますよ!と宣言。さらには、30年を超えるユニセフ親善大使としての活動も……。どこからその桁違いなバイタリティがあふれてくるのだろう。
 
あふれる愛情、子どものような好奇心、フレンドリーな物腰、ドラマそのものといった回想エピソードを前に、取材陣一同、ますますファンに。そして取材当日、何よりも鮮烈な印象を残したのが、まとっていた香りと装いだった。「ジャン パトゥ」の“JOY”にもうひとつ白いお花のフレグランスをレイヤードしているという香りは、個性と共鳴してエレガントなブーケさながら。“玉ねぎ頭”ではなくボブスタイルで登場した徹子さんの頭には、可愛らしいヘッドピース。「ドリス ヴァン ノッテン」のトップスに、翠玉のような美しい色彩のドレスをさらりと着こなしたスタイルは、まぎれもない女優の貫録を感じさせるのだった。

>>黒柳徹子さん×ジェーン・スーさんの対談内容は本誌9月号をチェック!

  • PROFILE
    東京、乃木坂生まれ。トモエ学園から香蘭女学校を経て、東京音楽大学声楽科卒業。絵本を上手に読めるお母さんになりたいと、NHK放送劇団の試験を受け、合格。独特の個性でテレビ、ラジオ、舞台で活躍する。1981年、自身の子ども時代を綴った『窓ぎわのトットちゃん』がベストセラーに。司会を務めるトーク番組「徹子の部屋」は、今年、放送開始40年目に突入。’84年から、ユニセフの親善大使を務め、アフリカやアジアの国々を訪れている。

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Photo : Gordon Monroe(portrait), AFLO, Hisai Kobayashi(book)

  • 『トットひとり』(新潮社刊 ¥1,500)

    最新刊『トットひとり』では、親交が深かった向田邦子さん、沢村貞子さん森繁久彌さんといった、“同じ匂いを持った人”とのエピソードが綴られ、“徹子のヘア”のお話も。「大切な人はもうみんないなくなってしまった」と語る回想録の数々は、感涙必至。若い読者からは感動の手紙が寄せられているという。

  • 『エル・ジャポン』9月号をチェック!
     
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