世界で活躍するために忘れたこと、覚えたこと
「“ボンドガール”は大成しない」。『007/慰めの報酬』でボンドガールを演じたウクライナ出身の女優、オルガ・キュリレンコはそんなジンクスを破ったとも言われ、現在世界中の監督や製作陣から注目されている。レイチェル・マクアダムスを3番手におさえ、ベン・アフレックの相手役を務める『トゥ・ザ・ワンダー』では、テレンス・マリック監督の次のミューズかと噂され、フィリップ・シュテルツェル監督の次回作ではアーロン・エッカートに並び活躍。母国の『La terre outragée(原題)』ではチェルノブイリ原発事故に関わる女性の人生を演じ世界的な話題に。そして今回、なんとトム・クルーズの相手役として『トロン:レガシー』のスタッフがおくる近未来アクション大作『オブリビオン』のヒロインとして来日した。元トップモデルから3ヵ国語を操る世界的女優としてAクラス入りを果たそうかという彼女の、少女のようでいてパワフルな素顔がわかるインタビューをお届け!
「思い出すよりも、知っていくことのほうがいい」
忘れ去るって、大抵いい着地の仕方、終わり方とは言えないわ。でも、今回の『オブリビオン』で、(忘れたことを思い出すよりも)私は知らないことを“知っていく”ことのほうがいいと思うようになったわ。ジャックの妻のヴィクトリアは“知らない”ことをあえて選ぶ。そうやって彼女は、安全だと思われる道を選んだつもりでいるのだけれど、ジャックは逆に真実を“知りたい”と思う。私はそれまで知らなかったことを、“知っていく”ことのほうを大切にするジャック派なの。私は真実を追求するタイプよ。
だから、今回の作品にとって“忘却”とは(過去を忘れ去って前に進むための要素という意味で)ポジティブなエンディングなのよね。
―ありがとうございました。では撮影に移らせてください。
(フォトグラファーのほうを見て)あ、あなた会ったことあるわよね! そうよ、前回日本に来たときに一緒だったわよね。もちろん忘れてないわ、覚えてるわよ!
【インタビュー後記】
『ELLE』や『marie claire』などの表紙を飾るトップモデルだったオルガだけあって、スタイルは抜群! この日は「ケンゾー」のミニスカートにコンパクトなニットトップを合わせて、「クリスチャン・ルブタン」のブルーのサンダルで登場。全編ほぼノーメイクで堂々と出演しているだけあって、自信あふれる笑顔、そして見せ方を知っているポージングなどに「さすが!」の声が! 欧州・米国・ロシアと世界中を飛び回っているにもかかわらず、フォトグラファーの顔は“オブリビオン”していなかったようで、本人感動! きちんと他人の顔を覚えているところに、人を魅了するコツがあるのかも?
-
『オブリビオン』
コンピューター空間での戦いを描き、まったく新しい映像感覚を生み出した『トロン:レガシー』のジョセフ・コシンスキー監督が仲間とともに、またもや高度3000mと宇宙を舞台に新感覚のSF大作に挑戦。今回は主演にトム・クルーズを迎え、全ての規模が倍増! まるで壮大なテレビゲームの世界に入り込んだような不思議な感覚が味わえる映画は、映画館でチェックしないと意味がないかも!
〈STORY〉
2077年、エイリアンの侵略により地球は荒廃し、宇宙に避難した人間たち。地球に残され、生き残りのエイリアンを監視する役目を妻とともに任されたジャック(トム・クルーズ)。彼は宇宙に避難した地球人組織からの指示を受け仕事をする単調な日々を送る。その役目もあと少しというところで、宇宙船が墜落した。確認をしに行った先で発見した、唯一の生存者ジュリアがなぜかジャックを知っていたことで、すべての日常が狂いだしていく……。
監督・原作・製作/ジョセフ・コシンスキー『トロン:レガシー』
製作/ピーター・チャーニー
出演/トム・クルーズ、オルガ・キュリレンコ、モーガン・フリーマン、メリッサ・レオ
配給/東宝東和
公式サイト/http://oblivion-movie.jp/
2013年5月31日(金)より全国ロードショー