インタビュー 2013/5/22(水)
オルガ・キュリレンコインタビュー

世界で活躍するために忘れたこと、覚えたこと

「“ボンドガール”は大成しない」。『007/慰めの報酬』でボンドガールを演じたウクライナ出身の女優、オルガ・キュリレンコはそんなジンクスを破ったとも言われ、現在世界中の監督や製作陣から注目されている。レイチェル・マクアダムスを3番手におさえ、ベン・アフレックの相手役を務める『トゥ・ザ・ワンダー』では、テレンス・マリック監督の次のミューズかと噂され、フィリップ・シュテルツェル監督の次回作ではアーロン・エッカートに並び活躍。母国の『La terre outragée(原題)』ではチェルノブイリ原発事故に関わる女性の人生を演じ世界的な話題に。そして今回、なんとトム・クルーズの相手役として『トロン:レガシー』のスタッフがおくる近未来アクション大作『オブリビオン』のヒロインとして来日した。元トップモデルから3ヵ国語を操る世界的女優としてAクラス入りを果たそうかという彼女の、少女のようでいてパワフルな素顔がわかるインタビューをお届け!

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(C) 2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

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「忘れ去られていい人なんていない」

―最後に、ひとつ。あなたが祖国で主演した映画『La Terre Outragée(ウクライナ映画だが共通原題は仏タイトルになっている)』は英題が『Land of Oblivion』です。偶然にも今回の映画も『Oblivion』。そこでお聞きします。あなたにとって“オブリビオン(忘却)”とはポジティブなことですか? それともネガティブなことですか?
 
2つの映画には大きな違いがあると思うの。そうでしょう? 『Land of Oblivion』はすこしネガティブね。(この作品はチェルノブイリの原発事故のエピソードが織り込まれて描かれているため)国を忘れるって内容だもの。誰もそんなことできないのに……。あの映画の主題は“タブー”よ。誰も話したがらないこと。タブーが、誰かによって引き金が引かれることで、表に噴出してきてしまう。その“忘却”したはずのことが、思い出されることで最後によい方向に向かう。ネガティブな“忘却”が“思い出される”ことで、ベターな方向に向かうということ。普通は“忘れ去る”っていいことではないわ。誰も忘れ去られていい人なんていないし、知ったことは忘れていいはずないもの。 
 
>>彼女が“覚えていた”日本人とは? 次のページへ 
 

  • 『オブリビオン』
     
    コンピューター空間での戦いを描き、まったく新しい映像感覚を生み出した『トロン:レガシー』のジョセフ・コシンスキー監督が仲間とともに、またもや高度3000mと宇宙を舞台に新感覚のSF大作に挑戦。今回は主演にトム・クルーズを迎え、全ての規模が倍増! まるで壮大なテレビゲームの世界に入り込んだような不思議な感覚が味わえる映画は、映画館でチェックしないと意味がないかも!
     
     
    〈STORY〉
    2077年、エイリアンの侵略により地球は荒廃し、宇宙に避難した人間たち。地球に残され、生き残りのエイリアンを監視する役目を妻とともに任されたジャック(トム・クルーズ)。彼は宇宙に避難した地球人組織からの指示を受け仕事をする単調な日々を送る。その役目もあと少しというところで、宇宙船が墜落した。確認をしに行った先で発見した、唯一の生存者ジュリアがなぜかジャックを知っていたことで、すべての日常が狂いだしていく……。
     
    監督・原作・製作/ジョセフ・コシンスキー『トロン:レガシー』
    製作/ピーター・チャーニー
    出演/トム・クルーズ、オルガ・キュリレンコ、モーガン・フリーマン、メリッサ・レオ
    配給/東宝東和
    公式サイト/http://oblivion-movie.jp/
    2013年5月31日(金)より全国ロードショー

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