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手にしているのはミクロネシアの黒真珠。アメリカの支援により、生態系に配慮した養殖で作られたもの。離島での雇用創出に成功しつつあるそう。

Photo : Kaoru Aoki

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●好きなことをお金が回る仕組みにする

―昨年、日本人の若者としては異例の形でダボス会議に招かれたようですが、現地はいかがでしたか?
 
ダボス会議では世界中の経営者や政治家、著名人が総勢2500名ほど集まっていて、日本からだと緒方貞子さんや大臣クラスの方々、稲森和夫氏にもお会いすることができました。また、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏やビル・ゲイツ氏など、この世界で起きていることがぎゅっと凝縮されたような時間を過ごすことができました。いろいろな会議が開かれていて、4日間で、プライベートなものまで含めると会議は全部で4~500はある。そこで、商談がなされていたりする一方で、NGOなどの人たちがファンドレイジングするために、(資金集めのための)活動をしていたり……。
 
―富の再分配のようなことがされているわけですね。
 
そういう面が出てきたのは最近のようです。昔はNPOやNGOが参加することなどはなかったようですが、近年は社会起業家や非営利団体が参加して、富を持っている人の中から資金を提供してくれる人を見つけ出したりしている。そもそもは、単なる経済会議。私たち2~30代が行くような場所ではなかったんです。それこそ、大きな企業の会長だったり、社長だったり、つまり50、60代から上の人が行く場所。でも、(ダボス会議もそのひとつである)世界経済フォーラム創設者兼会長のクラス・シュワブ氏が、「この社会は大企業トップだけではなく、若い人たちも同じように社会を作っている。若者たちも呼ぶべきだ」と昨年から20代、30代の起業家たちを招き始めたんです。だから、私はたまたまラッキーで、お声がかかって行けるようになった。大企業の会長など、ダボス会議に行くには年間数千万の会費を払わなければいけないみたいです。しかも、数千万払っても、必ずしも参加権が得られるわけではない。
 

―白木さんのように好きなことを仕事にするためには、どうすれば?
 
究極的に自分の好きなものを見つけること。必ずしも起業をしなくてもいいと思います。ただ、それが起業という選択肢であれば、それをビジネスモデル化できるかどうかがとても重要。きちんとお金がまわる仕組みにできるかどうか。私は考えに考え抜いて、先輩や起業家に意見を聞いて周りました。理念はもちろん大事ですが、それできちんと食べていけるかを考えなければ仕事にならない。ビジネスモデルへの落とし込みですね。
 
 
>>やりたいことが形にならない。そんな悩みに白木さんがアドバイス。次のページへ。 

「“エシカルジュエリー”ブランド「HASUNA」社長、白木夏子さんのデスクをチェック!」トップへ
  • 白木 夏子 (しらき・なつこ)
     
    HASUNA Co.,Ltd.代表取締役・チーフデザイナー。1981年鹿児島生まれ、愛知育ち。2002年から英ロンドン大学キングスカレッジにて発展途上国の開発について学ぶ。卒業後は国連人口基金ベトナム・ハノイ事務所とアジア開発銀行研究所にてインターンを経験し、投資ファンド事業会社勤務を経て、2009年4月にHASUNA Co.,Ltd.を設立。人と社会、自然環境に配慮したエシカルジュエリーブランド事業を展開。
     
    日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2011キャリアクリエイト部門受賞。
    2011年世界経済フォーラム(ダボス会議)が選ぶ日本の若手リーダー30人に選出。
    2011年AERA「日本を立て直す100人」に選出。
    2012年APEC(ロシア)日本代表団としてWomen and Economy会議に参加。
    2013年世界経済フォーラム年次総会にGlobal Shaperとして出席

    公式ホームページ:http://www.hasuna.co.jp/ 

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