兄だからこそ撮れた“100％リアル”なケシャ

―今回のドキュメンタリー番組をスタートすることになったきっかけを教えてください。
 
私の兄はドキュメンタリーの映像作家として成功していて、いつか彼と一緒に私のクレイジーな日々について何かしらのドキュメンタリーを作りたいと思っていたの。私自身、この日々を記録しておきたいと思ったし、私の日常の中で起こるクレイジーな出来事が世界のみんなを楽しませると思ったから。とにかく私は兄に撮ってもらいたかったの。説得の結果、彼はそれまでの仕事を辞めて私のツアーバスに飛び乗って、とうとう2年の間、カメラを回しっぱなしにすることになったわね。兄と妹という関係だからこそ、地球上でほかの誰にも撮ることのできない、とても無防備でリアルな、親密な瞬間を撮ることができたわ。
 
―映像の中で、「こんなことしなければよかった！」と思う部分はありますか？
 
私は後悔するってことがないから……、特にないわね。でも中には、どすっぴんで男みたいで、すごくクレイジーでだらしなくて超ダサい瞬間もあって。後から、ちょっとだけでもメイクしとけばよかったな、とか、ブラジャーぐらいは着けておけばよかったな、っていうのはすごく思ったわ。でもそういうありのままの私こそがリアルだし、取り繕って実物以上にグラマラスに見せることをせずに、“ホンモノ”をフィルムに収めることが私の美学だと思ったから。
 
―映像の中でのケシャは、実際のところ、どこまでリアルなのですか？
 
実の兄が撮ったのだから、100％リアルだと言えるわ。つまり本当に、画面に映っている姿が、ありのままよ。TwitterやFacebookをフォローしてくれたり、みんなが私をパパラッチのように追いかけ回すのをみたときに、人々は私の生活がどんなものなのか本当に知りたがってるんだと思ったわ。そんなにも知りたいのであれば、私はすべてを見せようって、そう決めたの。私の人生を、あけっぴろげにした。どうぞご覧ください、ってテーブルに広げた感じね。
 
―では、カメラの前でやらなかったことはありますか？
 
正直な話、兄は、ほとんどのものを撮ったわ。私がカメラの前でしなかったこと？　何かあるかしら……。そうね、私がいろいろな男の人といちゃいちゃしているシーンがあるんだけど、それが盛り上がってくれば……、その先はさすがに撮っていないけど。ただ、そういう感じのときも、兄はしっかり撮影してたということよ。
 
私は男の人と仲良くするのは好きだし、誰とでも気軽にいちゃいちゃする女ではあるけど、それ以上のことは誰ともしないわ。人は私のことをすごく“お盛んな女”みたいに思ってるだろうけど、そうでもないの。ただみんなといちゃいちゃするのが好きなのよ。だってキスって最高に楽しいもの。でも、だいたいいつもそれで満足しちゃうわね。あと、そうだ、兄と楽しんでたゲームがあるわ。私が“悪いこと”をしているのを撮影し始めたら、「Earmuffs（耳あて）！」って叫ぶと、兄は撮るのをやめるの（笑）。