インタビュー
2015/10/06(火)
『ヴェルサイユの宮廷庭師』公開!

ケイト・ウィンスレットが語る、「前に進むしかない」女の生き様

17世紀フランスを舞台に、ヴェルサイユ宮殿の庭園建設に関わったひとりの名もなき女性の愛の物語を描いた『ヴェルサイユの宮廷庭師』(10月10日公開)。主演はオスカー女優にして3児の母でもあるケイト・ウィンスレット。撮影当時、第3子を妊娠中だったケイトが明かす撮影秘話、そして過去の傷を乗り越えたくましく前進し続ける姿に大いに共感したという、ヒロインの生き様とは?

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「ヒロインを現代の人物に例えるなら、私自身ね(笑)」

―この映画はとても美しく語られた物語だと思いましたが、完成した作品をご覧になった感想を教えてください。
正直言って、ホッとしたの。私が望んでいたことのすべてだったし、とても美しい愛の物語だったから。それにとても現代的で、私たちが身近に感じられるものになっていた。時代ものだと観客はとかく、300年も前の設定だからと威圧感を感じ、言語が違うから言っていることを理解できないかもしれないと、怖くなってしまいがちだけれど、そんなことはまったくないの。とても楽しくて、コンテンポラリーな美しいラブストーリーに仕上がっていて、それが素晴らしい庭園を背景に展開する。衣装も素敵だし、セットも豪華で、本当に特別な作品よ。
 
―あなたが演じたヒロインのサビーヌは、本作のなかで唯一の架空の人物ですよね。彼女が過去の傷を乗り越えて、新たなキャリアと人生に踏み出していく姿は現代女性の生き方に通ずると思いました。彼女が現代に生きるなら、誰に例えられると思いますか?
きっと私自身ね(笑)。本当にそう思うわ。心から共感したことがいくつかあったの。私自身も人生において大変だったことがいくつかあったけれど、それでも前に進んでいかなければならないものよ。ずっとやっていくしかないの。サビーヌに対して頭が下がる思いを抱いたのはそこだった。彼女は過去の悲しみに溺れていたりはしない。悲痛な思いを抱き続け、悲しみからふさぎ込むことは決してしない。心から喜びあふれる人なの。真の意味で前進し続け、精一杯やっているわ。
 
私たち女性はこの世界で、本当にそうやっていくべきだと思うの。自分を主張し、勇気をもち、強くなくてはならない。特に彼女のように、あの時代、男性中心の社会に生きた人はそうで、彼女のことを心から尊敬したわ。そんなふうに、自分が演じる役柄に対してそこまで憧れ、敬意をもち、好きになることができたのはうれしかったわ。それほどしょっちゅう起こることではないのよ。「なんてことなの。このキャラクターといったら……」と感じることもよくある。
 
去年、ロシア系イスラエル人マフィアのボス役を演じたのだけれど、あれはとても大変だったわ。なぜなら、彼女のことを好きになれなかったから(笑)。本当にまずかったわ。『愛を読むひと』のハンナ・シュミッツもまたそうで、好きになれなかった彼女の側面もたくさんあった。そういったことから、ときにはさらに難しくなってしまうこともあるの。だから、サビーヌみたいに感動的で手強いキャラクターを演じることができて、最高に楽しかったわ。

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  • 『ヴェルサイユの宮廷庭師』
    1682年、フランス。心に傷を負い、田園地方で孤独に生きる造園家のサビーヌ(ケイト・ウィンスレット)のもとに、国王ルイ14世(アラン・リックマン)が計画する王宮の庭園建設の仕事のオファーが舞い込む。サビーヌは伝統と秩序を重んじる建築家アンドレ・ル・ノートル(マティアス・スーナールツ)と対立するが、アンドレはサビーヌの可能性に賭け、宮殿の中心的な庭園造りを任せることに。そしてふたりは次第に惹かれあっていく。

     
    監督・出演/アラン・リックマン
    出演/ケイト・ウィンスレット、マティアス・スーナールツ、スタンリー・トゥッチ
    配給/KADOKAWA
    公式サイト/http://versailles-niwashi.jp/
    2015年10月10日(土)~、角川シネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国公開

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