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フランソワ・オゾン監督が得意とするブルジョワ家庭の偽善もみどころ。典型的な母と娘の微妙な関係が痛い。

(c)MANDARIN CINEMA-MARS FILMS-FRANCE 2. CINEMA-FOZ

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母ではない女性との絆

Q.もしジョルジュがいなければ、彼女は売春を続け、それまでの顧客よりもっと暴力的な顧客と出会っていたかもしれません。

マリーヌ:その通りね。ジョルジュはある意味では、彼女の守り神と言える。だけど、ジョルジュの妻は、彼の死によって罪悪感にさいなまれるイザベルに対し、その心の負担を軽減しようと彼女を助けるわ。
 
2人の女性の間に絆が生まれ、それはイザベルが母親との間には持てなかったような絆と言えるわね。ジョルジュの妻は、いわばイザベルに対し、真に自分自身になってよいという許可を与えたと言える。イザベルは、彼女の言動からそのことを察するの。
 
彼女には偽善がまったくないの。作品を観ると、彼女は脆い存在だけど、同時に強さもあって、ユニークな若い女性だということが分かると思う。少し孤独で、人との関係が希薄で、コミュニケーションを取るのがあまり上手ではないだけ。イザベルは人と距離を取りながら生きているの。そこにいるけれども、まるでいないかのように。母親には知られてしまうことになるけれど、イザベルは売春の経験について誰にも話す気はなかったし、秘密を打ち明けたい人でもない。彼女の物静かな様子は共感できるし、私は感銘を受けるわ。 

 
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    • 『17歳』
      監督・脚本/フランソワ・オゾン
      出演/マリーヌ・ヴァクト、ジェラルディーヌ・ペラス
      配給/キノフィルムズ
      公式サイト/ http://17-movie.jp/
      2014年2月15日(土)~、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか公開
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