初共演にして大親友に! 沢尻エリカ×コムアイの猫派女子トーク
2018/06/20(水)
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©『猫は抱くもの』製作委員会

悩んで落ち込んで開き直って……

――今回の作品ではアラサーの沙織が恋や仕事に対して、自分の本当にやりたいことがわからなくなっていく心情が描かれていますが、共感するところはありますか。
 
沢尻 共感するところは多いです。悩むし、悩んでるし。「このままでいいのかな」って思うこともあります。
 
――しっかり自分で決断して生きているイメージがありますが?
 
沢尻 私、悩むときはすごく悩むんですよ。悩んで落ち込んで開き直ってみたいな感じ(笑)。いつもいろんなことがぐるぐるしてる。
 
コムアイ 本当に思ってる?
 
沢尻 思ってるよ~。いまでもそうです。仕事もそうだし、ライフスタイルのこともざっくり悩むことはありますよ。年齢的にこのままでいいのかなとか、本当にこれは私がやりたいことなのかなとか。好きだからやっていることは間違いないけど、ほかにも世界はあるんじゃないかとも考えます。そしてそれはもちろんあるから、不安とかもあります。

©『猫は抱くもの』製作委員会

――確かに旅をするといろんな世界があることに気づいたり、自分の存在の小ささに気づかされたりしますよね。コムアイさんは今回、映画初出演ですが、世界が広がりましたか。
 
コムアイ 今回はお芝居だけじゃなくて、歌も書いたので、複雑な状況ではありました。芝居をしていなくて、純粋に音楽だけで関わっていたら、裏方としてみんなを見守るような気持ちで映画全体を見ていると思うんです。どんなシーンにどんな歌が来て、見ている人はどんな気持ちになるだろうって。でも、そんな風に裏方の気持ちでいたりすると、「あ、出るんだった、私」みたいな。現場にいるときも両方のスタイルが自分にはあって、楽屋にほかの猫(役の人)たちがいるから、そのおかげで「そうだ。私は猫として、キイロを全うすればいいんだ」と思い出せる。あんまり考えていると、上から世界を見ている感じとかが出ちゃうから、それが嫌で。すごくシンプルにポケ~っと物語に巻き込まれていく側でいたいのに。そんな風にいろいろ特殊過ぎて、お芝居自体がそもそも自分に合ってるのかどうかを見極める感じではなかったです。
 
――普段のコムアイさんはコムアイさん役を演じていることに近い、ということでしょうか?
 
コムアイ 「コムアイ」という名義があると、「この服は着れない」「こういう動きはないんじゃないか」とか、考えたくないけど、どこかで考えてしまうというのはありますね。それが取っ払われるのがお芝居をやっていて逆に面白いところで、自我の下で普段、自分が使えていないものがお芝居の時に使えることがあったりして、逆に自由を感じます。普段から、25歳の女として生きている自分のいま感じていることをそのままを出そうとは思っているんですけど、無意識に、ふつうでいることを忘れて演じていることは誰でもあります。それを解くのが、お芝居だったりします。

Photo: Toshiki Hiraiwa Text: Aki Takayama

  • 沢尻エリカ/1986年生まれ。東京都出身。映画のデビューは、森岡利行監督の『問題のない私たち』(04)。その後、井筒和幸監督の『パッチギ!』(05)のヒロインを演じ、第29回日本アカデミー賞新人俳優賞、話題賞俳優部門ほか各賞を受賞し、その演技力が評価される。その後の出演作に、『間宮兄弟』、『手紙』、『クローズド・ノート』等。蜷川実花監督の『ヘルタースケルター』(12)では日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。また近年では、テレビドラマ「母になる」(17)での演技が注目され、映画『不能犯』(18)では刑事役を熱演。『食べる女』(18)、『億男』(18)の公開がひかえている。
     
    コムアイ/1992生まれ。神奈川県出身。2013年に結成したユニット「水曜日のカンパネラ」のボーカル。2014年11月に発売した 『私を鬼ヶ島に連れてって』に収録されている楽曲「桃太郎」がWEBやラジオを中心に話題となる。その後も、ユーモアと中毒性のある音楽やパフォーマンスがファンを魅了してやまない。近年では、DOLCE&GABBANAがミラノで発表した2017-18年秋冬コレクションのショーでランウェイモデルとしても歩き、VOGUE JAPAN WOMEN OF THE YEAR 2017を授賞。同年、ドラマ「ワニトカゲギズ」で役者デビューを果たし、本作『猫は抱くもの』が初の映画出演作となる。最新EP「ガラパゴス」6/27発売。

  • 『猫は抱くもの』

    夢を諦めきれない元歌手でいまはスーパーで働いている沙織(沢尻エリカ)にとって、猫の良男(吉沢亮)だけが心を許し、本音を打ち明けられる存在だった。万引き少女の身元を引き受けに来たゴッホ(峯田和伸)を見かけた沙織は彼がキイロという名の猫(コムアイ)を飼っている姿を妄想する。何をやってもうまくいかないアラサー女子と彼女を癒す、自分が人間だと思っている猫の心温まる再生の物語。沢尻エリカにとっては6年ぶりの主演作。コムアイは本作が映画初出演で映画音楽も担当、劇中では「キイロのうた」を披露している。

     

    監督/犬童一心 原作/大山淳子 脚本/高田亮 音楽/水曜日のカンパネラ 撮影/清久素延 照明/疋田ヨシタケ キャスト/沢尻エリカ、吉沢亮、峯田和伸、コムアイ(水曜日のカンパネラ)、岩松了ほか
    2018年6月23日公開。 http://nekodaku.jp/

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