インタビュー
2017/03/29(水)

MIYAVIインタビュー:アンジーとの出会いで変わった 音楽を通して見る”未来”

ピックを使わずエレクトリック・ギターを弾く独自の“スラップ奏法”で、次世代のギターミュージックを切り開いてきたMIYAVI。2016年に日本で公開された、アンジェリーナ・ジョリー監督の映画『不屈の男 アンブロークン』では、俳優としてハリウッドデビュー。今や世界を舞台に活動する彼が、デビューからの15年の軌跡が詰まった、2枚組ベストアルバム『ALL TIME BEST “DAY 2”』を発表。アンジーとの出会いで変わったという、侍ギタリストの考える未来、とは?

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音楽観も人生観も変えた 戦う女性、アンジーとの出会い

―――現在、アメリカを拠点に活動されてますが、グローバルに活動する上での秘訣というと?
 
先日、タイの難民キャンプを訪れたんですけど、世界とコミットするには、対話力とか表現力、とくに英語力は必須だと思うんです。英語が話せることは、世界と対話するうえで、マナーというか。
 
日本語は綺麗だし、自分たちの言語として守るべきだと思うけど、世界とコミットしていくには、子供たちに、語学をちゃんと教育していかないと、いつまでたっても変わらない。語学だけじゃなく、ボランティアとか、ファッションにおけるリサイクルのあり方とか、オーガニックな野菜を作って、それを暮らしの糧にしているタイの奥地の生活を見て感じた未来とか。これからはこういうことにもどんどんコミットしていきながら、すべてを一緒くたにしてクールに表現することで、何かを変えるきっかけを作っていけたらと思っています。
 
僕も、アンジー(アンジェリーナ・ジョリー)にUNHCR(国連UNHCR協会)を紹介してもらって難民キャンプに行くようになるまでは、UNHCRの青いキャップをかぶろうなんて思わなかった。僕はギターとロックで世界を踊らせるけど、こういうこともやるぜっていう感じで、すべてを一緒くたにしてクールに表現することで、何かを変えてやるつもりでいるんです。
 
―――MIYAVIさんにとって、やはりアンジェリーナ・ジョリーとの出会いは大きいんですね。
 
デカイです。彼女は戦ってますよね。ファイターです。強い女性ですよ。自分が男として生きてきて、やっぱり最終的には女性の方が強いな、と。気づけば僕らは、女性の手のひらの上で踊っていたなと思うことは多いです(笑)。だからもしかすると、世界を変えていくのは女性……かもしれないですね。男はいつも、争ってばかりの性質というか。ま、自分もそうなんですけどね(苦笑)。
 
国連が掲げている、2030年までに継続可能な社会を作るための目標の中に、<ジェンダーの平等>という項目がありますけど、男と女が、本当の意味で平等になれば、本当に継続可能な社会が実現出来るかもしれないですね。エンターテインメントは、現実から離れた場所を作ることでもあるけど、現実に戻るための架け橋も用意していないといけないと思うんです。砂糖を売るのと、同じなんですよ。砂糖はみんな好きだし、毎日食べたいでしょ? ドラッグより何より、砂糖がいちばん、依存性の強いものですからね。かといって、毎日精進料理みたいなのもどうかと思うし、人間ですから、楽しみもあっていいと思うんです。
 
だから食もファッションもバランスが大事。そういうことを知るための架け橋を作ること、つないでいくことを、僕なりにクールに表現できればと思うし、それが僕の"DAY 2"だと思っています。

  • 『ALL TIME BEST “DAY 2”』
     
    デビュー15周年記念ベストアルバムが2017年4月5日(水)発売に。 初回盤にはシングル楽曲 18 曲に加え、「What’s My Name ?」「Universe」「Ahead Of The Light」「素晴らしきかな、この世界 –What A Wonderful World-」「Guard You」の 5 曲を新たなアレンジにて新録。DISC2 の「Girls, be ambitious.」はインディーズ音源を収録。さらに新曲となる映画『無限の住人』主題歌「Live to Die Another Day -存在証明-」を収録した 2 枚組全 33 曲!! 初回盤特典として昨年行われた「MIYAVI Japan Tour 2016“NEW BEAT, NEW FUTURE”Tour Final」の映像も大ボリュームで収録!

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Photo : Wataru Yoneda Movie: Maho Tomono Interview & Text : Kanako Hayakawa

  • MIYAVI: 1981年生まれ大阪府出身。ソロアーティスト/ギタリスト。エレクトリックギターをピックを使わずに全て指で弾くという、独自の“スラップ奏法”でギタリストとして世界中から注目を集め、これまでに北米・南米・ヨーロッパ・アジア・オーストラリアなど約30カ国あまりでの公演をこれまでに成功させている。アンジェリーナ・ジョリー監督映画『不屈の男 アンブロークン』では、俳優としてハリウッドデビューも果たし、トム・ヒドルストン主演『キングコング:髑髏島の巨神』にも出演している。常に世界に向けて挑戦を続ける「サムライ・ギタリスト」であり、ワールドワイドに活躍する今後最も期待のおける日本人アーティストのひとり。
     
    HP: http://myv382tokyo.com/

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