インタビュー
2017/03/29(水)

恋多きフレンチ映画監督が、新作で究極の愛を語る!

現在公開中の『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』で監督を務めた女性監督、マイウェン。10年の構想を経て生まれたというこの作品には、フランス女性ならではの視点で描かれた恋愛の教訓がたくさんつまっている。来日した彼女にインタビュー。

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嵐のような愛の日々、生きた証

大けがを負ってリハビリ施設に入った弁護士のトニーが、夫ジョルジオとの愛憎に満ちた10年間を振り返る映画『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』。監督のマイウェン自身は、リュック・ベッソン監督の『レオン』『フィフス・エレメント』等に女優として出演し、ベッソンと恋に落ちるものの、ベッソンはミラ・ジョボヴィッチと結婚。自伝的でエキセントリックな初期の監督作を経て、前作『パリ警視庁:未成年保護特別舞台』ではカンヌ映画祭審査員賞を受賞して才能を見せつけた。そして満を持して10年間温めてきた恋愛の教訓を描いた『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』で、主演のエマニュエル・ベルコにカンヌ主演女優賞をもたらした。
 
———セクシーなダメ男ジョルジオと、知的でキャリアもあるのに彼に依存してしまうトニー。そんな姉を心配する弟。まずは絶妙なキャスティングが迫真のドラマに臨場感を与えていますね。
 
とにかくジョルジオ役にヴァンサン・カッセルはマストでした。ハンサムで愉快で、頭もキレる。一方で、どこか不穏でミステリアスな魅力がある。ヒロインに『太陽のめざめ』等で監督も務めるエマニュエル・ベスコを選んだのは、彼女の表情に子供のようなイノセンスを感じるから。それに格別にセクシーでないことが重要だった。なぜならジョルジオはそれまでモデルのような凄い美人ばかりと付き合ってきて、やっとトニーのような成熟した女性と恋をするところを描きたかったから。ルイ・ガレルは普段、自殺願望に取り憑かれたり、陰のある役が多いけれど、私生活でみせる軽やかで愉快な素のままを演じて欲しかった。あとルイの彼女役で、私の妹イジルド・ル・ベスコを使ったけれど、身内と仕事をするのは結構面倒だというのが学んだわ(笑)。

  • 『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』
    弁護士のトニーは密かに憧れていたジョルジオと再会し、恋に落ちる。彼のプレイボーイの過去に不安に感じながらも、トニーはジョルジオの「運命の女だ」という言葉を信じて結婚、そして妊娠する。奔放な夫に苦しめられながらも、トニーは彼と別れられない。そんな波乱に満ちた10年だったが、それはトニーの生きた証だった。
     
    監督/マイウェン
    キャスト/ヴァンサン・カッセル、エマニュエル・ベルコ、ルイ・ガレル、イジルド・ル・ベスコ、クリステル・サン=ルイ・オーギュスタンほか
    公開中
    http://www.cetera.co.jp/monroi/

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Photo: Kei Masuda Text: Reiko Kubo

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