妖精の苦悩:パリ・オペラ座バレエ団新エトワール、レオノール・ボラック
名門パリ・オペラ座バレエ団の新エトワールとして、去る3月に行われた来日公演では2つのプログラムで主役級の役を踊ったレオノール・ボラック。妖精のようなオーラの可憐なバレリーナだが、内面はかなりのしっかり者。オペラ座に入団してから頭角を表わすまで、長く努力を続けた苦労人でもある。『ダフニスとクロエ』のリハーサル直前のレオノールに、バックステージでインタビューを行った。
「親友3人が同時期にエトワールになれた」
―――今回の来日公演では、オレリー監督のもとまた新しいエトワールが誕生しました。『ラ・シルフィード』でジェイムズを踊ったユーゴ・マルシャンが3月3日の公演の後に舞台上でエトワールに任命されましたが、既にエトワールであるあなたにとっても刺激的な瞬間だったのでは?
L:もちろんです。私とジェルマン・ルーヴェとユーゴ・マルシャンは親友で、3人がほぼ同時期にエトワールになれたことは本当に嬉しい。ずっと一緒に踊ってきた仲間ですから。私たちに共通しているのは、若いころから難役を与えられて、それに取り組んできたことです。難しいコンテンポラリーにも懸命に取り組んできて、その成果が出てきているのではないかと思います。
―――ユーゴ・マルシャンは自分の身長が高すぎることに悩んでいた時期があったそうですが、あなたにも自分の身体に不満はありますか? どこから見ても理想的なバレリーナだと思うのですが。
L:私たちは毎日鏡を見て、自分自身を批評しながら踊っているので、自の身体に不満をもつことが職業だといえるでしょう(笑)。私も、自分の身体を理想だとは思っていません。嫌なところもいっぱいあるけど、それを改善していこうとするプロセスはとても興味深いものです。コンプレックスをなんとか乗り越えていこう……日々その積み重ねです。
―――やはりストイックな日常なのですか?
L:普通の若者たちのように徹夜で夜遊びをすることはありませんが、映画にも行くしレストランで食事もしますよ。そのへんはノーマルですし、バランスをとるようにしています。バレエ以外の趣味は、読書ですね。実は、短編のようなものも書いているのですが、人に読ませることはないでしょう(笑)。ファンタジックな物語ではなく、どちらかという現実的な物語です。
―――読んでみたい!(笑) 7月にはパリ・オペラ座バレエ団と英国ロイヤル・バレエ団との合同公演『バレエ・スプリーム』で再び来日を果たします。
L:これはとてもレアな公演です。他のバレエ団の芸術センスを間近で見られるチャンスだと思っています。ふだんは私たちだけで切磋琢磨している状態なので、異なる伝統を持つロイヤル・バレエ団のダンサーと同じ舞台に立つことはとてもフレッシュな経験になるはず。とても期待しています。
Styling: Emi Ogura Hair&Make: Tomomi Fukuchi Interview&Text: Hisae Odashima
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レオノール・ボラック(Leonore Baulac):1990年5月10日、パリ生まれ。パリ・オペラ座学校を卒業してパリ・オペラ座バレエに2008年に入団。12月31日パリ・オペラ座バスティーユで上演された『白鳥の湖』でバレエダンサーのトップ、エトワールに任命された。
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オペラ座&ロイヤル 夢の共演 「バレエ・スプリーム」
パリ・オペラ座バレエ団と英国ロイヤル・バレエ団の若きスターたちが集結する「至高」の舞台! オペラ座&ロイヤル 夢の共演。
公演日程/2017年7月26日(水)、27日(木)18:30~、7月29日(土)13:00~ 18:00~、7月30日(日)14:00~
会場/文京シビック大ホール
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一斉発売 4月8日(土)10:00~
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