インタビュー 2013/12/5(木)
女性活力担当大臣にロングインタビュー

【前編】女性活力担当大臣・森まさこ“働く女の生きた道”

「女の道は一本道にございます」。そんな流行語が出回ったのも嘘かのように、ますます働く女性の人生は複雑化してきている様子。そのためか、女性に特化した支援策が世界的潮流になっている今、“女性活力担当”として重責を負う、森まさこ国務大臣にインタビューを敢行。これまでと、これからの政策、そして自身の働く女性としての経験をクローズアップ!

入閣時。この時の写真は新聞「フィガロ」にて“マサコモリ、怒れる女性、そして大臣”と題し掲載された。

―フランスを訪問されたとき、政府の方とはどのような交流がありましたか?

森:4人の閣僚に会いました。ひとりは男女平等政策と報道官を務める、(ナジャット=ヴァロー・)ベルカセム氏。彼女は35歳でしたでしょうか、非常に若い方で、双子ちゃんがいるらしく大臣室に三輪車が置いてあったりしましたよ(笑)。保育園から帰ってきたら大臣室に寄って一緒に帰るのかしら? と思いました。仕事と家庭の両立、残業の削減、ワークライフバランスが徹底されていると感じました。それから、家族担当大臣。日本では少子化対策担当大臣ですが、フランスでは“少子化”が問題ではありませんので。あと消費者大臣。それから、青少年スポーツ大臣にも会いました。4人のうち消費者大臣以外はすべて女性でした。

 

加えて、経済団体(※フランス企業運動=フランスの最高責任者組合団体)の前会長(ロランス・)パリゾ氏にも会いました。経済団体の会長が女性ですよ? 信じられませんでした。最近、彼女は退任したようですが、それまで8年もの間務めていたパリゾさんが「いつも日本の経団連と会議するけど、女性が見当たらないのよ。日本には女性(の経営者)はいないの!?」と言うんです。優れた女性経営者はたくさんいるんですけどね…。

 

以前、経団連の米倉会長に官邸にお越しいただき、総理から「取締役の中に最低1人は女性をいれるように」との要請を伝え、「わかった」と言っていただきました。それまでの水面下での調整をさせていただきましたが、いろいろ苦労もあり…(笑)。

 

経団連としては、「女性1人を登用するマル(。)」ではなく「登用するよう努力する…」などの表現に変えられないかと相談もありましたが、了解してもらいました。「だって、1人でいいって言ってるんですよ?! いきなり“半数”とか言ってるわけじゃないでしょ? 30%でもないんだから、1人くらいやってくださいよ」と。

 

だから、パリゾ氏にも「これからは経団連の会議にも女性が入ってくるわ」と答えることができたんです。今後、経団連に名を連ねる企業はすべて取締役に女性がいることになるはずです。私も出かけていって事後チェックをするつもりです。

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  • 森まさこ

    1964年、福島県生まれ。国務大臣。女性活力・子育て支援担当大臣、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、少子化対策、男女共同参画)。自民党参議院議員。弁護士。幼少期、借金取立てに怯える日々を救った弁護士に憧れ、東北大学法学部卒業後、司法試験に合格。「ココ山岡事件」「オレンジ共済事件」など話題となった消費者事件を手がける。日本弁護士連合会の推薦により、長女を出産直後、ニューヨーク大学ロースクールに留学。次女を出産後、夫のワシントンDC留学に同伴し、専業主婦経験を経験。帰国後、2005年金融庁の任期付職員に。グレーゾーン金利の廃止に貢献。2007年参議院議員に当選。2012年より現職。

    公式HP http://www.morimasako.com/

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