やりがちな匂わせ投稿その②
持ち物や食器、部屋の壁も大きなヒントに
恋人や自分の職業柄、あるいは2人の間の決め事として、SNS上ではお互いのパートナーの顔や名前を伏せている人はかなり多いはず。ただ、「恋人がいる」こと自体を隠すか隠さないかはまた別のこと。
彼氏の名前は公表しないけれど、「恋人がいる」ことを隠していない人は、なんとなくデートで撮ったらしい写真や同棲していることがわかる部屋の写真などを投稿することはあるかもしれません。そんなとき、意識的に、あるいは無意識的に彼を特定するヒントを出しすぎていませんか?
例えば、何気なく写したテーブルの上の携帯電話に珍しい携帯ケースが被せてあったり、写り込んだタバコの銘柄が珍しいものであったり、彼の家の壁紙が必要以上に写っていたりすることもあるかもしれません。無関係な人が見た場合には何気ない光景でも、彼とあなたの関係に執着していたり、人を特定しようと躍起になっていたりする人にとっては、それはもはやわざと開示しているかのようにわかりやすいヒントになっています。
嫌味に受け取られるうえに、彼や自分に迷惑が降りかかることもあるので気を付けましょう。例えばレストランで料理や店の雰囲気を写真に写すだけでもデートだということは匂わせられるけど、そこまでプライバシーが露出しすぎているわけではありません。
Text: Suzumi Suzuki Photo: Getty Images
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鈴木涼美/社会学者、作家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。記者として在籍した日本経済新聞社を退社後、執筆業を中心に活動。著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)や『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)、『愛と子宮に花束を』(幻冬舎)など。最新の著書は『おじさんメモリアル』(扶桑社)。
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