特集
2018/04/20(金)

出世を目指す若い女性が増えてきた! って本当?

20代の女性の専業主婦願望が強くなっていると言われるいっぽうで、働く女子たちは出世欲が強くなっているって本当? 世界最大の広告会社グループWPPの中核企業、ジェイ・ウォルター・トンプソンでブランド・コミュニケーション戦略をリードする大橋久美子さんがデータを使いながらその真相を解説する。

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出世欲のある女性が映画に出てくると必ずといっていいほど「欲張りな女」「手段を厭わない女」とネガティブな表現をされる。そんななか『ドリーム』(’16)は組織内でもっと能力を生かしたいと願う女性の健全な出世欲をテーマに大ヒットした。

©2016 Twentieth Century Fox

高まるミレニアルズ女性たちの「出世したい」気持ち

定性的には、女性たちの“強くなりたい”という気持ちが見え隠れしていると思いつつ、実際どうなのでしょうか。その答えが下のデータを見るとわかってきます。
三菱総合研究所の生活者定量調査(mif)では、生活者3万人のパネルデータを毎年定点的に観測しています。そのなかで20代女性の就業意識についてみてみると、興味深い傾向が出てきました。20代の就業女性たちのなかで、「会社の中での地位の向上(出世)を常に目指す」という意向が高まり続けているのです。専業主婦願望が増えていると言われていた流れとは明らかに反する動きではないでしょうか。

20代の女性の就業意識調査。「今後の意向」としてもっとも大切にすること2つを選ばせた際の割合。 (株式会社三菱総合研究所・生活者市場予測システム〈mif〉)

興味深いのは就業意識調査で「自分の能力向上が図れる仕事をする」に「Yes」と答えたスコアは増えていないということ(もともとのスコア自体は高いですが)。能力の向上というのは長期的な投資ですが、今の20代女性たちは組織内での出世という結果も求めだしている。能力があっても階段が上れない“ガラスの天井”に気づき、転職したりフリーランスになったりしてキャリアアップを目指していた女性たち。かつては無理だと思ってあきらめていたハードルにあえて踏み出そうとする女性たちが増えているということなのかもしれません。

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Text: Kumiko Ohashi

  • 大橋久美子/J・ウォルター・トンプソン・ジャパン 戦略プランニング本部長。東京大学文学部社会学科卒、博報堂マーケティング局、研究開発局を経て、2003年J・ウォルター・トンプソン・ジャパンに入社。広告業界で25年、アジアや日本の女性たちと向き合いながら、女性たちを輝かせるためのブランディングを行う。

    ※当該記事の内容は個人的な見解であり、会社の見解を反映するものではありません

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