出世を目指す若い女性が増えてきた! って本当?
20代の女性の専業主婦願望が強くなっていると言われるいっぽうで、働く女子たちは出世欲が強くなっているって本当? 世界最大の広告会社グループWPPの中核企業、ジェイ・ウォルター・トンプソンでブランド・コミュニケーション戦略をリードする大橋久美子さんがデータを使いながらその真相を解説する。
好まれる“菜々緒的女子”
第四波フェミニズムのなかでエンパワーされている世界の女性たちに比べると、日本の若い女性たちは“女性=家庭”というしがらみが強く、そのなかで閉塞感を感じています。そのことについては、私たちJWTの独自調査でもわかってきたのですが、内閣府が行っている「男女共同参画社会に関する世論調査」の結果にもデータとして現れています。これは昨年のエル・オンラインの記事でも取り上げました。
こうしたベースは大きく変わらないものの、最近は家庭的な黙ってうなずきがちな“モテ女子”の間で、菜々緒さんのような凛としたパワーのあるクールビューティがグイグイ好感度ランキングに入ってくるなど、ちょっとムードが変わってきているような印象があります。閉塞感や不安があるからこそ、男性を頼りにしたところで救われず、男性上司にセクハラを相談したところで守ってももらえない、結局は自分から切り開いていかなければどうしようもならない! という意志が必要という思いも出てきているのかもしれません。
ここで別のデータを見てみます。
Text: Kumiko Ohashi
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大橋久美子/J・ウォルター・トンプソン・ジャパン 戦略プランニング本部長。東京大学文学部社会学科卒、博報堂マーケティング局、研究開発局を経て、2003年J・ウォルター・トンプソン・ジャパンに入社。広告業界で25年、アジアや日本の女性たちと向き合いながら、女性たちを輝かせるためのブランディングを行う。
※当該記事の内容は個人的な見解であり、会社の見解を反映するものではありません