斜に構えた態度はもうおしまい! アラフォー世代の皮肉体質を問う
皮肉っぽい態度はもう時代遅れ。ミレニアル世代が抱える「ちょっとダサイかも」と思っているものを斜に構えて楽しむスタイルはNG。ポストミレニアル世代のようにストレートに楽しむのが今っぽいし実はクールなのだ。UKエルのエディター、ハンナが分析。
インターネットに目を向けてみよう。「@SocalityBarbie」は、アメリカのフォトグラファー、ダービー・シスネロスが2015年6月から運営するインスタグラムのアカウントで、まさにアイロニーたっぷり。バービー人形が実在のインスタグラマーのようにおしゃれな写真をアップしているという趣向で、インスタ現象をある意味ディスっている。巧みに演出されたビーチサイドのショットや、スタイリッシュなコーヒーショップの写真などの一連のオサレ写真、それぞれのポストにあふれかえるばかげたハッシュタグなど、“インスタあるある”をちゃかしているわけ。でもこの皮肉を理解して評価しているフォロワーと、バービーの可愛い写真を楽しんでいるだけの人を識別できる?
シスネロスは昨年末、インスタグラムを離れた。彼女はこう書いている。「私はインスタグラムの流行がばかげていると思い、それをからかおうと思ってSociality Barbieを始めた。こんなにも注目を集めるなんて想定外のこと。オンライン上での自己演出とか、完璧なインスタライフを創り上げるのにバカみたいに使っている労力とか、信ぴょう性とかそういったものを考えるきっかけを作りたかったわけだから。このアカウントを運営することはとても楽しい経験だったけれど、ここでの役目はもう終わったと思う」。これほど大々的かつたわいもなく人気を集めると、ジョークも気が抜けたようになってしまう。微妙な意味合いを含んだメッセージが失われ、そこに残るのはただきれいで、空っぽの抜け殻だけだ。
Translation & Text : Akari Ii Photo : AFLO, Getty Images