特集 2016/10/30(日)
FROM ELLE WORLD

女性初の米大統領誕生のヒントはここ! ヒラリー・クリントンが語る偉大なる母の教え

女性初のアメリカ大統領を目指す彼女が情熱を燃やし進み続ける力の裏にあったのは、苦しい幼少期を生き抜いた偉大な母の存在だった。「恐れることなく手を伸ばせば、夢を成し遂げ得る」というヒラリー・クリントンの熱いメッセージをすべての女性に読んでほしい。

幼少の頃の母の境遇は厳しいものでした。母は子ども時代をシカゴで過ごしました。でもある日、母の両親は彼女と妹の荷造りをして列車に乗せ、カリフォルニアの祖父母の元に送ったのです。しかしながら祖父母も母たちを育てることを望んでいなかったようで……。私は列車で長旅をさせられた当時の彼女のことを想像して思いを馳せることがあります。たった8歳で一緒にいるのは3歳の妹だけ。そして妹の手を握っていた母のことを。案の定、カリフォルニアでの生活も恵まれないものでした。14歳のとき彼女は祖父母の家を出て、メイドとして働きながら1人で暮らし始めました。このときの彼女のことも私はよく想像します。
 
大きくなるまで、私は母の過去を知りませんでした。彼女は私にとって、温かくて愛情あふれる母でしかありませんでした。私も兄たちも何か助言が欲しいとき、励ましてもらいたいとき、そして単にハグして欲しいとき、彼女のところに走って行きました。母と私はチームであり、母は私を信じてくれていました。彼女が手を触れるとすべてのものがより素晴らしいものに変わったのです。ある悲惨な夜のことを今でも覚えています。私が家庭科の課題だったスカートを作ろうとして大惨事を引き起こしているのを母は救ってくれました。母のおかげで、その悲惨な夜すら楽しいものになりました。
 
充分な大人になり母の生い立ちを知っても、私は真には理解できませんでした。私自身は母親のいない人生を想像することができませんでした。でも母は素晴らしい両親がいないのにどうやって大人になったのでしょう? 彼女自身が小さな女の子だったときには、そんなにもわずかな愛しか与えられなかったのに、どうやって愛情あふれる人になったのでしょう?

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Translation & Text: Yoko Nagasaka Photo: Getty Images, Aflo

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