特集 2017/4/14(金)
FROM ELLE WORLD

チャールズ皇太子、王位継承者一位の地位はウィリアム王子に譲らない

「ダイアナ妃を死に追いやったプリンス」として国民からの人気が凋落。今なお、王位は息子のウィリアムに譲るべきだという意見も多いチャールズ皇太子を4年にわたり綿密にリサーチした伝記作家サリー・ベデル・スミスが明かす、皇太子の真の姿とは?

1991年、カナダを公式訪問した際、トロントでの歓迎セレモニーに出席したチャールズ皇太子とダイアナ妃(当時)。

Photo : Getty Images

「私は彼を非常に賞賛するようになりました」とスミス。「あるときはチャールズに対してこう思います。『これは素晴らしい。学校のためにシェイクスピアを覚えたんですね』。でも次に彼は甘やかされた子供のようになり、自分を憐れみ、めそめそと泣き言を言うのです。そして自分で自分をトラブルに追い込み、頑固で心を閉ざした人間になる。イギリス人は突飛な人を愛するんですね」。
 
しかしチャールズ皇太子は狡さのない人ではない。「女王はとても率直な人です」スミスはこう語る。一方チャールズ皇太子は「策略を巡らし、ちょっとした対立を作り出す」。ちょっとした対立とは、イギリスで言う「騒ぎ立て論議すること」である。ダイアナ妃の悲報を聞いたとき、チャールズはまず「『誰もが私を責めるだろう』と言いました。そしてその通りになったのです」とスミスは明かす。
 
スミスはチャールズ皇太子の父であるエディンバラ公フィリップ王配についても調べている。彼女はフィリップ王配が幼いチャールズ皇太子をいじめていたと語る。エリザベス女王は家族と「距離があった」ため、夫の息子に対する愛情不足を補うことができなかった。「チャールズ皇太子は基本的に心優しく、軟弱な人です。それにフィリップ王配は気がついたのです」。
 
チャールズ皇太子は今、祖父になろうと努力している。しかし彼はケンジントン宮殿で開催されたジョージ王子の1歳の誕生日パーティを欠席した。スコットランドのアカリスの保護地域で開催されたイベントに出席するため、というのがその理由である。「私は彼が善意の人だと思います。でも彼はミドルトン家の祖父母たちほどにはジョージ王子に関わっていません」とスミスは指摘する。
 
チャールズ皇太子には、これまでの古い時代の王室のメンバーに通じるものがある。しかし彼はまた非常に温かく魅力的な人でもある。「彼が非常に伝統的でありながら、型にはまらない人間でもあることに私は突然気がつきました。彼は19世紀のトナカイの皮で作られた靴を持っています。同時にこのような才能もたくさん持っていたのです。人々に理解して欲しいという強い願望を持っているのです」。
 
後年になり連れそうことになったカミラ夫人について、スミスはこう語る。「彼女は感情的で性的なものを備えています。ジョアン・リバースが言うように『彼女は洗練されていない。いい意味で』。チャールズ皇太子は彼女とならハメをはずし、楽しむことができるのです」。公の視線に対しては「カミラは大きな進歩を遂げています。でも必ずしも愛されていません」。
 
ウィンザー朝は最近ネットフリックスのドラマ「ザ・クラウン」でも取り上げられたが、実際、ウィンザー朝にはたくさんのドラマがあったとスミスは語る。「このドラマを見る必要はありません」とスミスは笑う。「本物の方がもっと面白いのですから」。

3 / 3
1 2 3

Translation : Yoko Nagasaka

MORE TOPICS

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へ特集一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト