数値で判明! “理想の女子像”が若者を抑圧する日本の実情
「女尊男卑だ!」と言われるまで力をもったと言われる日本人女性。それって本当? 世界最大の広告会社グループWPPの中核企業、ジェイ・ウォルター・トンプソンが世界中で実施した調査でわかったのは、一元的な“あるべき女性の生き方”像が、若い女性達の閉塞感を生み出している日本の現状。そんな“不都合な真実”を同社ディレクターの大橋久美子さんが解析!
成功への自信も低い日本の女性たち
このような閉塞感を表すのが、成功への自信の度合いを調査した際、日本人女性が出した数値の低さです。この調査の中での成功とはあくまでも自分の定義としての成功であって、決して経済的な豊かさや仕事での成功を意味しているわけではないのですが、漠然とであっても「自分は成功するのが難しい」と考える、自己肯定感が低い女性たちが日本には多いといえます。
そして、その成功の自信がより低いのが学生であり(もう成功している+自信がある=33%)、最も高いのが専業主婦(=64%)なのです。
ちなみに、自分にとっての成功の定義という点では、「健康」「幸せ」「良好な家族関係」「元気な子供を育てる」といった要素が上がっていて、日本の傾向もグローバル全体のものとほとんど違いはありません。つまり、各国ともに女性が成功と考えるのはウェルビーイング的な要素(心身の健やかさ・豊かさ)であり、昇進や金銭ではなかったのです。(ただし、そのウェルビーイング要素の中においては、英米豪伊の女性は「愛されること」が、アジアでは「健康」が成功と答えているのは興味深いと言えますが……)。
どうやらこの部分を掘り下げても日本女性の成功への自信のなさを解く鍵は見つけられなさそう。そこで注目したのが、25歳~34歳における「人生のプライオリティー」というデータです。
Text: Kumiko Ohashi
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※日中米英印等14カ国/18~70歳女性各国500人/人口による年齢割付/オンライン調査/2016年実施
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大橋久美子/東京大学文学部社会学科卒、博報堂マーケティング局、研究開発局を経て、2003年ジェイ・ウォルター・トンプソン・ジャパンに入社。広告業界で25年、アジアや日本の女性たちと向き合いながら、女性たちを輝かせるためのブランディングを行う。