特集
2017/08/15(火)

数値で判明! “理想の女子像”が若者を抑圧する日本の実情

「女尊男卑だ!」と言われるまで力をもったと言われる日本人女性。それって本当? 世界最大の広告会社グループWPPの中核企業、ジェイ・ウォルター・トンプソンが世界中で実施した調査でわかったのは、一元的な“あるべき女性の生き方”像が、若い女性達の閉塞感を生み出している日本の現状。そんな“不都合な真実”を同社ディレクターの大橋久美子さんが解析!

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Photo: Getty Images

今を「女性にとってよい時代」とは思えない日本女性たち

テクノロジーによる女性の連帯が進み、今までタブーとされてきた女性の性・性器・ムダ毛・生理なども「ノーマライゼーション」=「恥ずかしがる必要はない自然なこと」としてオープン化されている世界の女性たち。
 
広告の世界でも、北米において、女性たちが商品化されてきたことに対するアンチテーゼを打ち出す“#WomenNotObject”というプロジェクトが立ち上がり、先見性のある広告主はいち早く対応するなど、女性を取巻く環境は大きく変化してきています。グローバル平均73%、アジア太平洋地域で80%以上の女性たちが「今ほど女性にとってよい時代はないと思う」と女性であることを肯定的に評価しているのも当然のことです。

43%という低い数字は10代~70代の平均値。50代を除く全世代、女性の多数派は「昔のほうがよかった」と感じている。

ところが、この楽観的なムードと対照的に、日本女性の「今ほど女性にとってよい時代はないと思う」への賛同率はたった43%。他のアジア圏と比べても女性の現状に対して悲観的に捉えている女性が多いという結果となっています。さらに注目すべきなのは、これを年齢別に見てみると、もっとも賛同率が低いのが18~29歳の36%、逆に最も高いのは、50代の50%であることです。ここから20代女性の閉塞感が見て取れます。50代は男女雇用均等法(1986年施行)第一世代であり、家に縛られていた女性たちが外に出て働く自由を得た世代だということを思い起こせば、この世代の女性たちが、最も女性であることにポジティブでいられるというのも納得できるわけですが、 全体としては“女性が輝く社会”などとは言えない日本の現状が浮かび上がっています。

Text: Kumiko Ohashi

  • ※日中米英印等14カ国/18~70歳女性各国500人/人口による年齢割付/オンライン調査/2016年実施

  • 大橋久美子/東京大学文学部社会学科卒、博報堂マーケティング局、研究開発局を経て、2003年ジェイ・ウォルター・トンプソン・ジャパンに入社。広告業界で25年、アジアや日本の女性たちと向き合いながら、女性たちを輝かせるためのブランディングを行う。

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