心を込めると料理はおいしくなる

『初恋のきた道』

「これはグルメ映画ではないのですが、主人公の母・ディの作る料理のおいしそうなこと！　都会と田舎を結ぶ“道”を中心に主人公の父母の出会い、別れ、再会そして死までを追うラブストーリー。若かりし日の母が恋の成就のためにできることは、一生懸命、心を込めて料理をすること。食べ物を作っていくことは、選ぶ、洗う、切る、混ぜる、火を入れる、味付けする、盛り付ける。そのすべての動作に心を込めるとおいしくなる。食べ物に限らず人生の全て、恋も仕事も心を込めることで伝わり、叶うのかも。うまくいかないことがあった時、もしかしてそれが足りなかったのかと身につまされます。父の葬式にたくさんの教え子が集まり、“道”を帰ってくるシーンはそれを象徴しており、感動的です」（柿沢さん）
 
中国の名匠チャン・イーモウ監督による感動のラブストーリー。純粋無垢なヒロイン役に大抜擢されたチャン・ツィイーは、本作で映画デビュー。