特集 2013/12/24(火)
年末年始はこれを聴け!

2013年のMYベストミュージック【伊藤なつみさん編】

今年1年間のカルチャーを総括するため、各分野のプロフェッショナルが2013年にヘビロテした私的ベストを発表。今回は、音楽ジャーナリストの伊藤なつみさんが、今年ヒットした洋楽アルバムのなかから、読者に勧めたいものを5枚セレクト(順不同)。

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5/5

グルーヴを意識した新境地を開拓

アーケイド・ファイア『リフレクター』

最後の1枚はポップで聴きやすいものをと思い、ウォッシュド・アウト『パラコズム』と迷ったけれど、聴き応え十分のこの2枚組をセレクト。カナダのモントリオールを拠点に活動するインディーズ・バンドで、2003年のデビュー以来アルバムを出すたびにグラミー賞にノミネートされ、2010年発売の3枚目のアルバム『ザ・サバーブス』で年間最優秀アルバム賞を受賞。各メンバーが多彩な楽器を駆使して重層的な音楽世界を構築し、ライヴではさらに熱気溢れるパフォーマンスを展開していくことでも評判。現在は6人組だ。この4枚目のアルバムではプロデューサーに元LCDサウンドシステムのジェームス・マーフィー(2010年のイヴ・サンローランのショーで新曲を披露するなど、ファッション界でも大人気)を迎え、ハイチ地震後の現地でのチャリティライヴを経て、ジャマイカでレコーディングした。ゆえに、これまでの路線を守ることなく、グルーヴを意識した新境地を開拓し、一方で彼ららしく生と死を見つめた歌からギリシャ神話を扱ったものまで、テーマは深い。カッコイイ演奏に、デヴィッド・ボウイがスタジオで聴いて飛び入り参加した歌もあるほど。インスパイアされる要素が多々詰まった傑作。

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Text: Natsumi Ito

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