2013年のMYベストミュージック【伊藤なつみさん編】
今年1年間のカルチャーを総括するため、各分野のプロフェッショナルが2013年にヘビロテした私的ベストを発表。今回は、音楽ジャーナリストの伊藤なつみさんが、今年ヒットした洋楽アルバムのなかから、読者に勧めたいものを5枚セレクト(順不同)。
何をしてもオシャレ感漂う2人組
ディスクロージャー『セトル』
ジェイムス・ブレイクの2作目『オーヴァーグロウン』も秀作だが、ここでは敢えて22歳と19歳のガイとハワードのローレンス兄弟によるディスクロージャーのデビュー作を。ドラムやベースのプレイヤーとしても卓越したテクニックとセンスを持つ2人が、アルバムでもライヴでも打ち込み(シーケンサー)やキーボードと合わせて生楽器を演奏し、より立体的なグルーヴ感やオーガニック感をプラス。しかも先鋭的なビートやサウンドを鏤めたクラブ・ミュージックに、個性的で魅力溢れる新人サム・スミスのようなシンガーを起用し(ディスクロージャー自体も若いのに!!!)、一気に身近で親しみやすいダンス・ミュージックにも、クールダウンできる心地よいイージーリスニングにもなる音楽に仕上げた。アルーナジョージもディスクロージャーとの共演でブレイク。ホワイトペンで落書きしたアートワークをはじめ、何をしてもオシャレ感漂う2人だし、個人的にも良く聴いた今年を代表する一枚。
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■『セトル』ディスクロージャー ¥2,300 ユニバーサル
http://www.universal-music.co.jp/disclosure
Text: Natsumi Ito