不穏。トランプ新大統領周りの要注意人物5名
ついにドナルド・トランプ新大統領誕生。そこで、これからの4年を司る政権を支える(であろう)重要人物をチェック。しかし、その顔触れがなんとも要警戒な雰囲気がして……。米在住ジャーナリスト、瀧口範子さんが斬る!
1.差別主義ですけど何か? スティーブ・バノン(主席戦略官および上級顧問)
トランプ次期大統領を支える要職の中でも、最も危険視されるのがスティーブ・バノン(本名はStephen)だ。彼がこれまで会長を務めてきたオンライン・メディア「ブライトバート・ニュース」は極右として知られ、選挙期間中はトランプの宣伝メディアとして支持者を鼓舞した。「ブライトバート・ニュース」が伝えてきたニュースは、国粋主義、女性蔑視、人種差別、外国人嫌い、反ユダヤと、とんでもない内容が続く。たとえば、「避妊は女性を醜くし、狂わせる」とか「フェミニズムとガン。自分の子供のために選ぶならどちら?」(どちらも同じくらいひどい、という意味)といったようなものだ。選挙中トランプ陣営の選挙参謀を務めたバノン本人は、こうした批判は自分にはあてはまらないと述べているが、民主党のこれまでの政策はもちろんのこと、共和党のエスタブリッシュメントに対しても敵意を抱き、ともかく何でも「ぶっ壊す」というスタンス。そうした人物が大統領に大きな影響を与える職につくのは、何とも危険だ。
Photo: Aflo
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瀧口 範子(たきぐち・のりこ):大阪生まれ。フリー・ジャーナリスト。シリコンバレー在住。上智大学外国語学部卒。テクノロジー、ビジネス、政治、国際関係から、建築・デザインまで幅広く記事を執筆。「東洋経済オンライン」や『ダイヤモンド・オンライン』などのウェブ、『アエラ』『日経新聞』『AXIS』『日経PC21』『日経デザイン』などの新聞、雑誌にも寄稿中。ロボット情報サイト「robonews.net」も主宰している。著書に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか? 世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』、訳書に『コールハースは語る』『ザハ・ハディッドは語る』『ソフトウェアの達人たち: 認知科学からのアプローチ(テリー・ウィノグラード編著)』など。