ベテラン社員に響く、82歳のアプリ開発者・若宮正子さんの生きる道
2018/03/19(月)
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「お写真撮っていただけるって言うから……」とネックレスを着けはじめた若宮さん。おしゃれも楽しんでいる様子。

Photo: Loco Kinoshita

【マーちゃん道その4】幸せは自分自身で決めて

ー若宮さんは年齢を重ねてもアクティブに活動していらっしゃいますが、幸せに生きるコツは何だと思いますか?

幸せに生きるコツってあるのかしら? 私は自分が幸せなのかとか、考えたことがないの。 上司に恵まれたとか、サポート部隊ができるほど友達に恵まれたとか、いろんな意味で恵まれたとは思うけど、人に聞かれればたぶん幸せなんだろうっていうぐらい。もし体が弱かったらこれだけの人生を送れなかったかもしれないけど。幸せになるにはどうしたらいいかとか考える暇がなかったし、幸せになろうと努力することに意味があるのかわからないんです。それよりも自分がやりたいこと、やったら楽しいだろうと思うことをやるのがいちばん。

ー人からどう見られるかは関係ないということですよね。

たとえ人からは不幸せに見えても、本人が満足していればいい わけで。例えば私の知り合いは体が不自由で、端から見れば「あの人、気の毒に」と思われていても、本人はネットで楽しく交流してすごくいきいきしてる。だから自分が楽しければいいんじゃないでしょうか。あと、いろんな人と話をすると自分が今まで気づかなかったことや社会のこと、自分自身のことまで気づきがあって勉強になる。そういうことも自分を成長させてくれるものじゃないかと思います。

それに、人の目ばかり気にするのは生きづらいでしょ。人の目より自分を大事にしないと。女らしくよりも、自分らしくがいちばんですよ。

Interview&Text: Mirei Hirose

  • 若宮正子(わかみや・まさこ)/1935年、東京生まれ。東京教育大学附属高等学校(現・筑波大学附属高等学校)卒業後、三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に勤務。定年をきっかけにパソコンを独自に習得し、TED Talkにも登場、2017年にはiPhoneアプリ「hinadan」をリリースした。同年、Apple社の世界開発者会議(WWDC)に特別招待される。創設に参画したシニア世代向けのサイト「メロウ倶楽部」の副会長、NPO法人ブロードバンドスクール協会の理事も務める。近著に『60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。』(新潮社刊)

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