【男女のギャラ格差】
M:プロ彼氏は今後もっと増えますよね。
P:2015年後半はハリウッドのギャラ格差問題がより明るみに出たけど、女性のほうが圧倒的にギャランティが少ないのに、プロ彼氏が増えて女性が慰謝料払うケースが増えているっていうのは納得いかないわよね。
K:ジェニファー・ローレンスが『アメリカン・ハッスル』で共演した男性よりも、自分とエイミー・アダムスのギャラが少ないことを知って「Lenny」にコラムを掲載しました。でも、その後ブラッドレイ・クーパーが「自分のギャランティを今後公開することにします」って援護したじゃないですか。
M:あれは完全に便乗だった。
K:あのニュースを聞いた瞬間、「あんたになぜそんなこと言う権利が!?」と突っ込んでしまいました。だって、ジェニファーからしたら、まだクリスチャン・ベールより低いのはいい。彼はオスカー獲ってるから。でも、ヴェネチア映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞獲って、先にオスカー候補になって、先にオスカー主演賞も手にしていて、『ハンガーゲーム』でドル箱女優にもなっている自分が、1回もオスカー手にしてないブラッドレイより安い給料だったということが、今回の告発の引き金になった気がするんです。もちろんジェイロー(= JLaw 最近定着しつつある呼び方)のことだから、ブラッドレイの問題じゃなくて、ハリウッド男女差別が原因なんだとわかってやっているとはいえ……。
P:いらなかったよね、あのサポート。
M:ブラッドレイ、KYだから……。
K:しゃあしゃあと! あれにはメリル御大も動き出しましたよね。
P:でも仕方ないところもあるよね。彼女も言ってたけど交渉が下手だったということと、そもそもハリウッド自体が男尊女卑だから。男社会だもの。あと、結局安いって言ったって、普通の人の何十倍ももらっている訳じゃない。
M:めっちゃセレブですものね。
P:一般人から言わせたら「それだけもらっていながら『安い』とか言うなよ」となる。「ウォルマート」で自給5ドルで働いているような女性たちからの支持が得づらい。ハリウッドセレブがギャラを公開して、それをフェミニズムにもってくるっていうのは次元が違い過ぎる話だから、多くの女性たちの共感は得られないし、失敗だと思う。
K:確かに。だからケイト・ウィンスレットは「お金の話をあからさまにするのは下品だと思う」と牽制してましたよね。
P:彼女は冷静だった。
M:女性たちの間で格差対立を煽るだけになる可能性も大きいですしね。アメリカはあまりにも格差が大きいから、上のほうの人たちが何を言っても、下の方には届かないですよ。
K:ジェニファーとかメリルなどのセレブが、大統領になったヒラリー・クリントンを動かして、制度として格差是正を広めるという形にしたほうが2016年はいいかもしれませんね。
P:そうじゃないと無理。自分たちの金銭感覚や住んでいる世界が、いかに一般とかけ離れているかということを自覚していないとダメだと思う。
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★審査員メンバー
セレブウォッチャー☆ピーチズ = 人気連載「セレブウォッチャー・ピーチズのOM(F)G!」でおなじみ。モデルから女優まで、あらゆるニュースを24時間チェックしている映画ライター。
カルチャー&ライフスタイルエディターM = デイリーセレブゴシップ担当。鍛えた身体に目がないけれど、マッチョな男は苦手。鍛えた審美眼であらゆる視点で映画やゴシップを斬るアラフォーエディター。
ファッション・フィーチャー・エディターK = デイリーセレブゴシップ担当。常に斜めからしか物事をみられないこじらせ男子。三度の飯よりゴシップが好き。