次なるジュースクレンズになるか? 今、「だし」は飲み物!
料理を作るときのベースとだけ思われていた、昔から身近にあった“だし”が、ヘルスコンシャスな人たちを中心に新しいドリンクとして注目の的になっている。
テイクアウトのアイデアで
“脇役”が最旬ドリンクに
行列の絶えないカフェスタンド? と思いきや、そこはなんと、ブロス専門のテイクアウトスタンド。N.Y.イーストビレッジにある「ブロード」は、人気イタリアン「ハース」のシェフ、マルコ・キャノーラが自身の不摂生を改善すべく、ブロスを毎日飲み始めたことがきっかけで誕生した。昨年のオープン以来、コーヒーを買うようにあつあつのブロスを求める人たちが続出。いわば、ブロスをスープではなく新しい“ドリンク”に仕立て上げたパイオニアだ。
「ブロスって具合が悪いときに飲んだり、料理に用いたり、どこか“地味”なイメージだったの。こうして日常的に飲めるようになって、イメージアップしたわ」と語るのは、ファッション誌のコピーディレクターで、ライフスタイルブログ「バーボン&グロス」を発信するディーニー・ハーツォグ。グルメ雑誌の『ボナペティ』誌に在籍していたこともあり、料理は得意だが、「ブロスは時間がかかるから、自分では作らないわね」と苦笑する。だからこそ、体にいいものを口にしたいとき、あるいは散歩の途中で、あらゆるシチュエーションで気軽にブロスを買うことができるこのスタンドは、ディーニーにとっては癒やしスポットなのだ。オーガニックのチキンやビーフ、ターキーの肉と骨を18時間も煮込んだブロスは、市販品とは異なるまろやかさが自慢。「肉の旨みがドリンクに染み込んでいて、飲みごたえがあるのもいい!」 とディーニー。トッピングも多様で、毎日通う客がいるのも納得だ。
photo: AKIRA YAMADA (New York), KUMI SAITO (London), JUN HASEGAWA (Tokyo) text: YUMI KOMATSU (New York), MIYUKI SAKAMOTO (London)