1日目の師匠、「Gilles Moreau」のジル・モロー シェフに習う郷土料理
ライヨール名物、のび~る「アリゴ」に挑戦!
修業のスタートは、ライヨール。街のホテル、「Gilles Moreau」のシェフ、ジル・モローさんに習うのは、ライヨールがあるオーブラック地方の名物料理、アリゴ。この地方でしか食べられないフレッシュチーズ、トム・フレッシュとじゃがいもを使った一品だ。
アリゴの材料は、とてもシンプル。トム・フレッシュ、じゃがいも、生クリーム、バター、それに塩とにんにく。まずはバターと生クリームを鍋に入れて溶かし、ゆでたじゃがいもをムーラン(野菜用のミル)でこしながら入れたらよく混ぜる。「じゃがいもをムーランでこすのが大変! 力がいります」と、口尾さん。ムーランがない場合は、マッシュしたじゃがいもでもOK。「固いようならじゃがいものゆで汁を加えてなめらかにね」と、シェフ。ある程度混ざったら、味をみて塩を加え、そしていよいよチーズを投入……勝負はここからだ。「とにかく、練る。練って練って、かき混ぜると、ほら、こんなふうにのびるようになります」。言うのは簡単だが、実際はかなりの肉体労働。「天井に届くくらいまで粘りがでたら出来上がり!」。材料も作り方もシンプルだが、じゃがいもの旨みとチーズのコクがあいまって、絶品。世界中にじゃがいもとチーズの料理は数あれど、このモチモチ食感は独特だ。「とてもおいしいので、日本でも作ってみたい!」と口尾さん。口尾さんのオリジナルレシピは近日公開予定なのでお楽しみに!
さて、ここでもう一品教えていただいたのは、「シュー・ファルシ」。「残りものでつくる家庭料理です。でも、大きく作るので豪華に見えるし、なによりおいしい」とシェフ。残った肉や固くなったパンを使う、いわばエコ料理だ。
ゆでたキャベツを、鍋のふちからはみ出すように敷き詰めておく。フライパンで適当に切ったベーコンと粗みじんに切った玉ねぎを炒め、ボウルに移す。そこに豚ひき肉、牛乳に浸したパン、みじん切りのパセリとブレット(ふだんそうの仲間の葉野菜)、好みのハーブとにんにく(みじん切りまたはすりおろし)を加えて混ぜたら、卵と小麦粉少々も加えて混ぜる。このフィリングをキャベツの上に入れてならし、キャベツ、フィリングの順に重ねて、最後はキャベツで蓋をする。上にベーコンと輪切りのにんじんをのせ、オイルをかけて蓋をする。あとは180℃のオーブンでゆっくり加熱。「鍋の大きさにもよりますが、2時間半から3時間、といったところでしょうか」。この地方では肉で作ることが多いが、フィリングに魚をつかうこともあるとか。「混ぜて重ねて焼くだけなので簡単ですが、鍋ごと出して切り分けると見栄えもよく、野菜と肉の旨みが合わさっておいしいです」と口尾さんもお気に入りの様子。他の野菜でも応用できそうだ。
試食タイムには、シェフ自らがテーブルで取り分けてくれた。「アリゴは、こうしてお客様の前で仕上げます。出来立てでないとこんな風にはのびないので、サーブする前に厨房で加熱して出すのです」。テーブルでぐーんとのびるアリゴは、パフォーマンス性も抜群! アツアツはおいしくて、肉との相性もばっちり。
さて、じっくり加熱したシュー・ファルシの出来上がりはこんなふうにこんがり。切り分けて食べると、肉汁と野菜の旨みで優しい味。家庭料理ってやっぱりほっとする!
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photos : Yukako Hiramatsu cooperation : Asami Kuchio , Atout France, CRT Midi-Pyrénées, OT Toulouse, CDT Tarn, Air France, CDT Aveyron