ヴィンテージ=育てて成長するもの
2017年の今、何十年も前の品々が人気のピークを迎えているのは、どういうことなのだろうか? セカンドハンド(中古品)は、ある意味歴史を刻んだファッションカルチャー的アイテムで、さらに育てることで将来性が生まれるもの。ヴィンテージアイテムたちは暗くて埃っぽい古着屋から飛び出し、日の光を浴び、レッドカーペットでスポットライトを浴びる、確固とした地位を確立したのである。セレブリティたちはこの(洋服の)時間旅行を楽しんでいるのだ。
彼らの信条とは「古いもの=成長するもの!」。キム・カーダシアンは彼女自身、「オープン・フォー・ヴィンテージ(Open For Vintage)」や「キット・ヴィンテージ(The kit vintage)」といったクールなサイトで見つけた、’90年代の「ヘルムート・ラング」や「ラフ・シモンズ」のファッションに身を包んで出かけることがある。妹のケンダルも同じように、最近、「シャネル」や「ヴェルサーチ」の何年も前のコレクションに身を包んでいるところをスナップされている。しかしそれは、クロエ・セヴィニーやアレクサ・チャン、ケイト・モス、エマ・ロバーツ、ファーン・コットン、キーステン・ダンスト、アン・ハサウェイもしくはアマル・クルーニーなども同じこと。つまり、クールなファッションエリートたちは毎シーズン、全身最新トレンドのコーディネートをすることはなくなってきているのだ。
それは、ストリートスタイルの女王やインフルエンサーたちも同様。多くのファッションエリートが「見たものを着る、今着る」という、そんな予想のできるコーディネートをしている。ジェニー・ウォルトン(ファッションブログ、The Sartorialistのアートディレクター)やケイト・フォレー(ライター、コンサルタント)、ジェイ・ジェイ・マルタン(「La Double J」のクリエイター)たちの何千人ものフォロワーが、彼女たちのオリジナルな着こなしや、アクセントとなるヴィンテージアイテム(現行品にはないようなプリント、上質な素材、美しいカットなど)を見て驚きと感動を隠さない。
translation: ELIE INOUE
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